世の中の本質を見抜いたストーリー
――『麻希のいる世界』の脚本を読んだときの印象を教えてください。
日髙 最初は衝撃的で受け入れられないというか、理解できない部分も多かったです。でも読み込むうちに「これって世の中の本質だよね」と感じることも多くて、完成した映像を見たときに、世の中こういうことっていっぱい転がっているなと感じました。
新谷 上手く言い表せないような、「おお!こうなるのか」という不思議な感情が端々にあって、これを私が役として演じることができるんだということにワクワクしました。
――由希は自分の意志を曲げずに突っ走っていく女の子ですね。
新谷 演じているときも風のように、ずっと突き進んでいくような感じがしました。実際、撮影中は一度も立ち止まらなかったですし、「由希ちゃんのように生きたい!」と強く思える女の子です。

――対する麻希も、周りに左右されずに自分を貫いています。
日髙 ありのままで自由奔放で。私も日頃から、ありのままで強い意志を持って生きたいなと思っているので、麻希ちゃんには共感しました。さすがに破滅的な部分は理解できませんでしたけど……。
――お互いの演技を見ていかがでしたか?
新谷 麻希のように嫌な感じには見えないですけど、同じぐらい突き進む力、自分の世界を持っているのは普段の麻鈴からも感じます。それが演技にも表れていて素敵でしたし、そこは真希と通じているなと感じました。
日髙 ゆづみの物事に対してはっきりしているところが、由希と似ているなと思いました。由希のように自分のやりたいことをガンガンやるようなタイプではなくて、ちゃんと周りも見ているんですけど、由希になった途端、ストレートに相手にぶつかっていくんです。あと真っ直ぐ人を見る、ゆづみの瞳が魅力的でした。
――自転車のシーンが重要な役割を果たしていますが、難しい撮影もありましたか?
新谷 大変でした。駐輪場から出るシーンで、「もうちょっと日髙さん早く」とか言われて。そもそも麻鈴が「自転車に乗れるか問題」があって(笑)。
日髙 スタッフさんに教えてもらって、二人乗りとか立ちこぎの仕方とかを練習したんです。小さい頃はプリキュアの自転車に乗っていたんですけど、たぶん自転車に乗ったのは6年ぶりくらいでした。
――由希が麻希を後ろに乗せて走る二人乗りのシーンはグッときました。
新谷 人を乗せるのが初めてだったので、とても怖かったです。
日髙 でも慣れたら楽しかった!
新谷 そうだね。12月の夜の撮影で、寒くて二人で凍えていたんですけど、二人乗りは楽しかったです!