人との優劣を意識し始めたことで醜形恐怖症に

――『Lalka 〜偶像少女〜 HINA TAKANE PHOTOBOOK』はどのようなコンセプトのフォトブックにしたいと考えて制作が始まったのでしょうか?

高嶺 ビジュアルだけだったらTwitterでも無料で見られるので、僕のメイクやファッション、これまでの半生を綴ったコラム・エッセイ的なものなどが1冊にまとまった、高嶺ヒナ好きな人にとってのバイブルみたいな本にしたいと考えました。

――写真のコンセプトが多岐に渡っていて見ごたえがありました。

高嶺 Twitterに投稿するときは、こういうものがウケるだろうなという写真をメインにしています。でもフォトブックでは、もともと高嶺ヒナが好きなファンの子に買ってもらいたいという気持ちが大きかったので、Twitterで上がっているタイプの強い系、ドール系っぽい写真にプラスアルファして、すっぴん、昔やっていたけど今は封印したロリっぽいもの、水着など、露出が多めの写真もあります。いつもの強い女、人形っぽい写真がメインでありつつ、普段見せない一面、ギャップにこだわった写真集に仕上がったと思います。

――写真や衣装にファンの声を取り入れることはありますか?

高嶺 そこまでないですけど、自分でやってみたいと思っていたもの+ファンに望まれているものが合えばやることもあります。たとえば「うっせぇわ」(Ado)のMVに登場するキャラクターコスプレがバズったんですけど、あれはファンの子から「めっちゃ似合いそう」と言われて。改めてMVを何回も見るようになって、そのうちにコスプレをやりたいという欲が高まって、友達に衣装を作ってもらいました。

――フォトブックの写真を見ていると、文学をモチーフにされることも多いのかなと感じました。

高嶺 特定の文学をモチーフにしている訳ではないのですが、昔から本を読むのが好きだったので、それが表れているのかもしれません。

――本書で醜形恐怖症のため、「もっと可愛くならなければ」「加工しなければ」という思いが強くなったと綴られていますが、小さい頃から醜形恐怖症の傾向はあったのでしょうか?

高嶺 周りと比べ始めるようになってからありました。小学3~4年生の頃からいじめられて、人との優劣を意識し始めました。「お前は劣っている」という目で見られていると思い込んで、それが徐々に容姿のコンプレックスにシフトしていった感じはあります。

――家庭でも抑圧されていたということですが、そのときに心の拠り所にしていたものは何ですか?

高嶺 僕はオタク気質で、小学5~6年生ぐらいからAKB48のまゆゆ(渡辺麻友)がめちゃくちゃ好きで、下敷きや生写真、CDを集めていました。中学1年生の頃には部活の同級生に勧められたボカロにどハマりしました。それから初音ミクがめっちゃ好きになってみたいな感じで、好きなものに救われていました。

――まゆゆ以外のアイドルにハマることはありましたか?

高嶺 AKB48は箱推しで全体的に好きではあったのですが、まゆゆがダントツでした。アニメっぽいというか2次元っぽいところが良かったんですよね。あと、まゆゆの髪型です。初音ミクちゃんもそうですけど、髪の長いツインテールの女の子がめっちゃ好きなんです。

――小学生の頃、支えになる友達はいらっしゃいましたか?

高嶺 正直、特定の友達はいなくて、いじめてこない、しゃべってくれるという子が2、3人いました。

――その子たちにご自身の悩みを打ち明けることはあったのでしょうか?

高嶺 なかったですね。たぶん向こうも見て見ぬふりをしてくれていたと思います。つかず離れずの関係っていいなと思いますけど、何でも話せる友達も欲しかったです。今でこそネタにすることもできますけど、当時はめちゃくちゃ悩んでいました。中学校、高校は理解のある先生に恵まれていて、それが支えでした。