メンバーそれぞれのこだわりが詰まったソロ曲

――1stフルアルバム『TEAM』では4人がそれぞれジャケットを飾り、ソロ曲も収録したメンバーソロ盤もリリースされます。ソロ曲にはどんなこだわりを詰め込みましたか?

秋本 私の曲「まってるね」は、パシフィコ横浜公演に向けて行ったフルマラソン(2021年3月14日「名古屋ウィメンズマラソン 2021」)への初挑戦企画がルーツです。ゴールできるか不安でしたけど、参加前日にメンバーから「ゴールで待ってるね」と言われたのが嬉しかったのでタイトルにしました。曲はご自身もフルマラソン経験をされているシンガソングライター・川嶋あいさんにお願いして、歌詞は私が書きました。練習期間から参加当日までにあった思いをストレートにまとめたんです。最後にひらめいたフレーズが、Bメロの「頑張りたい時ほど頑張れるのはきっと」「当たり前じゃないよ」で。チームしゃちほこ時代からのソロ曲「おっとりガールの憂鬱」の「がんばれるように」「がんばってるけど」「がんばってるように」「見えないの」から、成長した自分も表現しました。

▲秋本帆華

大黒 平和や愛など大きなテーマを扱いたくて“愛”を選んで、タイトルは「One-One-Love」としました。歌詞や曲は浅野くんに作ってもらい、全編通して愛犬・ティファニーへの愛を伝えています。「ワンコ」のフレーズを使うと、ワンちゃんを飼っていない人には共感してもらえないと思ったので、聴いている人それぞれが大切な人やモノに当てはめてもらえるよう工夫して。でも、部分的には「キャッチボールしよう」とか、ワンちゃん要素が入っています(笑)。愛が深く重いタイプですけど、浅野くんが私から聞いた言葉をすべて詰め込んでくれました。サンバ調でハッピーな曲なので、聴いた人の心が満たされればいいなと思います。

▲大黒柚姫

坂本 私のソロ曲「Bunny」はリラックスしたいとき、アウトドアを楽しんでいるときに聴いてもらいたいです。作詞作曲をロックバンド・セカイイチのヴォーカル・岩崎慧さんにお願いしました。曲は「バンドサウンドでにぎやかな感じがいいです」とリクエストして、歌詞は、私たちの曲としては珍しく恋愛をテーマにしました。恋愛がテーマだけど「趣味の釣りに関する用語を入れられますか?」と岩崎さんへ無茶なお願いもして(笑)。「あなたに 落とす針」とか「愛の仕掛け」とか、たくさんの釣り用語を入れていただきました。釣りが好きなら“分かる人には分かる”フレーズも楽しんでもらいたいです。

▲坂本遥奈

咲良 私のソロ曲「One way LOVE?」は、フワフワしたガールポップです。制作前、スタッフさんから「自由に作っていいよ」と言われたのでアイデアを出させてもらいました。チームしゃちほこ時代のソロ曲「ベイビーミソカツ」など、過去の曲は私の音楽的な趣味もあってバンドサウンド中心でしたけど、今回は真逆のイメージにしたかったので「打ち込み系の楽曲を」とリクエストしました。歌詞は作詞家の春日章宏さん、曲は音楽プロデューサーの前田佑さんにお願いしました。女の子のかわいらしさを感じてもらえる楽曲になっていると思います。

▲咲良菜緒

――ティーンに向けて、”青春時代で悩んだとき”に聴いてほしいおすすめ曲も教えてください。

秋本 「Rock Away」です。ライブですごく盛り上がる曲で、歌詞にも励まされるんです。「壁をぶち破れ」「レール踏み外せ」とか、可能性はいくらでもあるから未来を自分たちで作っていこうというメッセージを込めていて。今の自分たちに当てはまるし、十代の方にとっても夢を見つめ直したり、自信を持つきっかけになるのかなと思います。

大黒 私は「POSITIVE BEAUTIFUL!〜後ろ向きま宣言〜」を聴いてほしいです。全体的にはポジティブですけど、前半で「うまくいかない」とネガティブになっているところから立ち直る展開で、人間の二面性が描かれているんです。学校では勉強や友人関係、部活とか、いろいろと上手くいかない場面もあると思います。そんなときもあるけど、曲の後半では「どうにかなるさ」「なんとかなるさ」と背中を押してくれるんです。日頃の悩みやストレスが解消されるだろうし、行き詰まったときはこの曲を聴いて発散してもらいたいです。

坂本 私は豪華盤の「浅野EP+」に入っている「ちぐはぐ・ランナーズ・ハイ(TEAM SHACHI ver.)」です。ライブではマイクスタンドを使って歌う曲で、「絶対に正しいことなんてありやしない」「でも間違ったこともしたくないし」とか「理由はないけど自信はあるの」のフレーズが大好きなんです。歌いながらウルッと来てしまうし、心にも強く響いてきます。十代のみなさんは将来を考える中でいろいろな迷いを抱える瞬間も多いと思いますけど、この曲を聴けばきっとがんばれると思います。最後は「分からないくらいがちょうどいいんじゃない?」のフレーズで締めていて、結局は自分の決めた道を信じるのが一番というメッセージも込められています。

咲良 ロックサウンドの「番狂わせてGODDESS」も背中を押してくれます。個人的に、中学時代や高校時代に悩みを抱えていたとき、ハードロックやヘヴィメタルといった激しい音楽を聴いて吹っ切れていた経験もあって。四の五の言わず吹っ切れたいときに「とりあえず前を向いてやってこうぜ!」という気持ちにさせてくれる曲です。1番Aメロの「覚悟は もう決めた」のフレーズを始め、歌詞を噛みしめながら聴くとただただ突っ走っていこうと思えるはずなので。この曲を聴いて、がむしゃらになってほしいです。