テーマパークの中にいるような感覚を味わえる作品

――大人気の音楽ゲームがアニメ化し劇場版になるということで、企画を聞いた時はどのようなお気持ちでしたか?

竹達 どうなるんだろうっていうワクワクと、ちょっと不安な気持ちが入り交じったような感覚でした。もともとゲームファンだったこともあって、その世界観が変わってしまう怖さもありました。ゲームではアリスしかしゃべらないので、その他のキャラクターに声がついた時にどのような感じになるのかな、と。でも「その発想はなかったな」という切り口が面白くて、ちょっと大人になったアリスが登場するのも新鮮でした。「DEEMO」を最後まで遊んでくださったゲームファンの方は、きっとその後のアリスが気になると思うのでその先を見せられることが嬉しかったです。

――ファンにはたまらない展開が詰まっていますよね。まだゲームをプレイしたことのない人にはどのような部分をオススメしたいですか?

竹達 最初は、ここがどういう世界かは分からないんです。でもその分からない感じがミステリアスで逆に引きこまれるのではないかと思います。そして、とにかく音楽と映像がきれいで。ゲームでもそうですが、この世界ではピアノを弾いていくと木が美しく大きく成長していきます。本作でも息をのむような美しく表現されていてとても魅力的です。テーマパークの中にいるような、アトラクションを楽しんでいるような感覚になれるので、世界観を楽しんでいただきたいです。

――最初に台本を読まれた時の印象を教えてください。

竹達 台本を読んだ時に最初に思ったのが、アリスの表情・感情がとても豊かだなと。ゲームの中だと私(アリス)しかしゃべっていないので、自分の心の中の気持ちを吐露するシーンが多くて、あまり感情が動かないんです。それが今回アニメ化されたことで、ゲームでも登場するミライ、くるみ割り人形、匂い袋などのキャラクターたちに声がついて、命が吹き込まれました。そのことによって、アリスの感情が引っ張り出されていて、すごく印象的でした。

――同じアリスというキャラクターを演じていながらも、ゲームとはまた違う演技のアプローチがあったのではないでしょうか?

竹達 そうですね。台本を読んでびっくりしたというか、演じていて新鮮だったのが、アリスが号泣するシーンです。ゲームの中ではほとんどそんなシーンはなくて「おうちに帰りたいな、頑張ろう」というふわっとした感じです。それが「おうちに帰りたい、わーん」って泣いているのは刺激的で印象的でした。ミライやくるみ割りなど、アリスが安心するというか、心の拠り所になるものがいてくれるからこそ、心を開きやすくて感情を出しやすかったのかなと思いました。

――アリスに感情移入する部分はありますか?

竹達 私の子どもの時と比べるとアリスは大人だと思います。知らない人ばかりの奇妙な世界に急に来ても、頑張って帰ろうとする芯の強さはすごいなって思いました。私が子どもの頃から本当に泣き虫で、虫を見ただけで泣いていたくらいです。だから、アリスが登れない木を一生懸命頑張って登るシーンはすごくキュンとしました。