心の中のヒリヒリした部分を楽曲にするうちに「黒橋」と言われるようになった

高橋優は、2010年7月にシングル「素晴らしき日常」でメジャーデビューし、感情に訴えかける歌を届けてきたシンガーソングライター。

2020年にメジャーデビュー10周年を迎え、同年10月にアルバム『PERSONALITY』を発売したものの、多くのアーティストと同様、コロナ禍によって活動が思うようにできない状態となってしまった。

2021年10月から今年1月にかけては、バンド編成の全国ツアー『高橋優  LIVE TOUR 2021-2022「THIS IS MY PERSONALITY」』を敢行。そして、このたびメジャーデビュー10周年を締めくくるイベントとして武道館2デイズを開催。

自身の原点である弾き語りスタイルで、広い武道館にひとりで挑むことを選択。2日間のライブは、1日目『DAY1 -黒橋優の日-』、2日目が『DAY2 -白橋優の日-』と、それぞれテーマを分けて実施された。

ダークサイド高橋優が全開の1日目「DAY1 -黒橋優の日-」。大勢の観客が詰めかけた武道館は、開演前から普段とは違う期待感が高まっていた。場内アナウンスの「まもなく開演します」という声が聞こえた瞬間から、5分以上もファンが手拍子で彼の登場を待つという高揚感のある空気に包まれていた。

開演と同時に一気に暗転。高橋が生まれたときからの写真が並ぶオープニング映像が流れ、赤い衣装の高橋が会場に登場すると、大きな拍手が沸き起こる。長い花道を歩きながら武道館の全方向の観客にアピール。

この日のステージは、フロアに大きく“黒”と書かれた八角形のセンターステージ。360度からファンが見つめる戦いの場に足を踏み入れた高橋は、東西南北の四方に深々とお辞儀。ギターを手にした高橋は「こどものうた」からライブをスタートした。

まばゆいライティングの中でソリッドなギターをかき鳴らし、力強い歌を武道館に響かせると、観客は手拍子と拳を上げて音楽に呼応する。続けて「陽はまた昇る」を披露し、切実なボーカルでファンの心をしっかりと掴む。

MCでファンに挨拶した後、今回の武道館ライブのテーマ、黒橋優とは何かについて語っていく。

「10年間いろんな楽曲をリリースさせていただく中で、僕の心の中のヒリヒリした部分を楽曲にしてリリースさせていただくと、『出た黒橋』『今回は黒橋来たな』という言葉をもらうようになりました。それが、どこからともなく僕の元まで聞こえてくるようになって、最初は悪口かと思ったりもしました(笑)。でも今に思えば、そうやってみなさんと歩んでこられた10年だったなと、僕の中で感謝は尽きないんです。今回、2日間武道館でやらせていただくことになって、テーマを分けて1曲でも多くみなさんに届けたいという思いになりました。せっかくなので、そういう風に言っていただく方々のお言葉をお借りして……僕自身は黒橋、白橋とか思ったことはないんです。でも、そう言われるなら、黒橋だけでセットリストを組んでみようじゃないかと思いました。ただ黒橋とか言いながらも、黒い部分を届けるというよりは、黒だからこそ感じられる愛、暗いからこそ射す光がよく見えるというものにしたいなと。だから今日は、真っ黒な部分から、みなさんと光や希望を感じられるひとととにきにできればなと思ってます!」と声を上げた。