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全国の中高生517組が応募。オンラインにて本選を開催

グローバル化とICTの急速な進展により、世界中の人々がボーダレスにコミュニケーションができるようになった現代、国際共通語である英語スキルの必要性がますます高まっている。それは、単に「聞く」「話す」「読む」「書く」の「英語4技能」を習得することだけを意味してはいない。自らの考えや夢中になって取り組んできたことを英語で発信し、多様な人々と交流を深めながら、自ら道を切り開いて行動していく力をもった人材こそが、これからの社会に求められていると言えるだろう。

第3回目となる「Change Maker Awards(以下・CMA)」は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてオンライン開催に変更。通常とは大きく異なる環境だったが、517組もの応募があり、一次予選と二次予選を勝ち抜いた20組が本選に臨むこととなった。

自動運転技術やジェンダーレスなど、それぞれが自由なテーマで探究成果を発表

CMAは個人部門とチーム部門に分かれて実施される。第3回は、個人部門が「世界に伝えたい私の探究― Show your Research/Action tothe World―」、チーム部門が「私たち×○○― Attract the World withyour presentation―」がテーマ。

本選のプレゼン時間は個人部門・チーム部門共に7分で、プレゼン後、審査員による3分間の質疑タイムが設けられている。ここでは発表者の一部を紹介する。

■個人部門

足立学園高等学校の八幡昂樹さんは自動運転技術について取り組んでいる。カメラを付けたラジコンカーをコース上で走らせて画像データを集め、AIに画像パターンを学習させている。「運転をくつろげるものにしたい」その思いを叶えるための自動運転技術の開発について発表した。

京都市立紫野高等学校の大幸宙斗さんは、男性の視点からジェンダーレスについて考え、社会にある「有害な男らしさ」を解消する方法として「ジェンダーレスメイク」を提案。メイクは「かわいい」だけを表現する一面的なものではなく、人間としての多面的な美しさを伝えるツールであるとプレゼンした。

■チーム部門

東京学芸大学附属国際中等教育学校の「KMAK」は、ネット依存について探究。学内658名の生徒を調査した結果を発表し、今回の調査によって、約7割が依存者かその予備軍であり、ネット依存について身近に迫る問題として警鐘を鳴らした。このネット依存を断ち切るヒントを心地よい時を家族や友人と共有する「ヒュッゲ」に見出した。中高生に対しての3週間の実践により、全員にネット依存低下の効果を確認した。

ユナイテッド・ワールド・カレッジ・ISAK・ジャパン「UWC ISAK JAPAN」は日韓関係の改善を目指して、韓国人と日本人が対話する機会を創出するなど、さまざまな取り組みを進めてきたことについて発表。韓国人の同級生との歴史対話を行い、日韓の教育の違いからそこに生まれる問題点に気づいた。日韓の若者の間に対話の場を創出することで長期的に見て変化が生まれるはずだとしている。

誰もがチェンジメーカーとなり、日本や世界の未来を変えていく

CMAの審査は、英語4技能に加えて、プレゼンの内容も評価される。上智大学言語教育研究センター長の吉田研作氏を始め、7名の審査員が10名・10組の審査を行い、その結果が発表された。

■個人部門

金賞 足立学園高等学校 八幡昂樹さん

銀賞 京都市立紫野高等学校 大幸宙斗さん、栃木県立矢板東高等学校 小野萌菜さん

銅賞 桜蔭中学校 中辻知代さん、頌栄女子学院高等学校 舩越杏珠さん、久留米大学附設高等学校 宮﨑莉子さん

■チーム部門

金賞 ユナイテッド・ワールド・カレッジ・ISAK・ジャパン「UWC ISAK JAPAN」

銀賞 東京学芸大学附属国際中等教育学校「KMAK」、郁文館高等学校「TSG」

銅賞 三田国際学園高等学校「co:post」、広島女学院高等学校「CreativeLifeProject」、福井県立福井商業高等学校「KN3」

また、Global Link賞がカリタス女子高等学校の「teamMAX」に、TheJapan Times Alpha賞が吉祥女子中学高等学校の小張陽葉さんに授与された。

冒頭で紹介したとおり、第3回CMAはコロナ禍のため大きな変更を余儀なくされた。しかし、どの出場者も臆することなく、自らの探究の成果を堂々とプレゼンしていたのが印象的だった。

これから先、社会はどのように変化し、発展を遂げていくのか。そして、どのような課題に直面していくことになるのか。先行きの不透明な時代だが、だからこそ、恐れることなく探究を続ける中高生たちの挑戦が未来を明るく照らしていくことだろう。

なお、第3回CMAはYouTubeにて配信されている。興味のある人はぜひチェックしてほしい。

第3回Change Maker Awards

開催:2021年2月28日
主催:一般社団法人 英語4技能・探究学習推進協会
後援:公益社団法人 全国学習塾協会
特別協力:GRASグループ株式会社(旧:ウェブリオ株式会社)

大会の様子はYouTubeからご覧いただけます。

Text:福田靖子