「おかえり」を歌う高橋の目に涙が浮かぶ

ライブは終始、温かい空気感に包まれながら進んでいく。カズーを吹きながら、嬉しいことも嫌なことも、どっちも合わせて食べればいいと歌う「サンドイッチ」。「微笑みのリズム」ではハープの音色とギター、そして観客の手拍子が絶妙にマッチする。

前日に続き、ギターのボディを叩いた音をループしてリズムにするひとり多重セッションを展開。エレキギターを持って「虹」を披露し、ブルージーなサウンドに乗せて諦めない思いを力強いボーカルで歌唱した。

ここで高橋は、改めて今の気持ちを語り出す。

「見渡す限りの来てくれている人の表情が本当に嬉しくて、幸せな気持ちで今ここにいます。そして……空いている席もあるでしょう?チケットを買っても来られない人もたくさんいます。難しい世の中だけど、また会えたときに届けたいなと思って書いた曲です。今日はみなさんに届けさせてください」と口にすると、「おかえり」を歌唱、愛する人と再び会えたときの喜びや期待感を温かいメロディで歌っていく。高橋の目には涙が浮かんでいた。泣きながら“おかえり”と歌う彼に、観客は大きな拍手を送り続けた。そして、火が灯る中で少年の勇気を鼓舞する楽曲「少年であれ」を歌唱した。

高橋は「ここから立ち上がっていきませんか武道館!」と声を上げる。観客がスタンディングになると空気を一気に変えて、ロックナンバー「one stroke」をエレキギターでかき鳴らす。詰め込んだ言葉を吐き出すような「BE RIGHT」でライブのテンションをますます上げると、「明日はきっといい日になる」に突入。熱のこもったボーカルとキレのいいアコースティックギターの音色に合わせて、観客はハンドクラップでリズムを刻む。一体感が生まれた武道館に、続いて爽快なメロディの「Piece」をドロップ。平等じゃない世界だけど人それぞれが手を取り合って新しい未来を作っていこうという希望のメッセージを、しっかりと伝えた。