躓いていた時期に方向性を教えてくれた先輩の一言

――高校はファッション系の学校で服飾デザインを専攻していたそうですね。

とうあ 中学2年生の頃に見つけて、ちょっと家から遠かったんですが、「私にぴったりだ!ここにする!」って決めました。もともとは女子校だったので私がいた頃も男の子は少なかったです。ずっとファッションデザイナーになりたいと思っていて、そのための勉強もできるし、雰囲気も合っていました。その高校に通ったことで、早い段階で自分はファッションデザイナーに向いてないことも分かったのも良かったです。普通の高校に通っていたら、卒業後にファッション系の専門学校に進学していたと思うので、高校生のうちに適性が分かったのは大きかったです。

――ファッションという共通の目標を持っている人が集まる環境はいかがでしたか?

とうあ みんな考え方が大人で、趣味が本当にバラバラ。時にはケンカもあったんですが、「ケンカは当人同士で勝手にやって」という感じで、変にネチネチしていないので居心地が良かったです。

――高校時代に学生主体のファッションショー「ビートニクス名古屋」に参加してカルチャーショックを受けたそうですね。

とうあ 高校1年生の冬から高校3年生まで毎年参加していたのですが、人生が変わったと言ってもいいくらいでした。ビートニクス名古屋で、同世代にもすごくオシャレで刺激的な人が存在していることを知りましたし、実際にステージに立ってみて、「もっと前に出たい!もっとみんなに見てもらいたい」という気持ちが芽生えるきっかけにもなりました。学校の授業は洋服のパターンを引くといった制作が中心で、しんどいなと感じることも多かったんですけど、そこからの逃げ場にもなったし、夢中にもなれたし。私の世界観を発信できる場所を見つけられて、すごく楽しかったです。

――SNSでの発信はいつ頃からされていましたか?

とうあ インスタは小学5年生ぐらいから始めていました。ただ自分を売り出すというか、本格的に顔を載せるようになったのは高校2年生の夏頃です。高校2年生のときに、発信したいのに方法が分からなくて躓いていた時期がありました。学校にも行けなくなってしまって、学校を辞めて、早く東京に出たいという気持ちでした。そんな時に、すごくクリエイティブで尊敬する先輩に相談したら、「とうあの強みって何?」と聞かれて、何も答えられなかったんです。そしたら先輩から、「インスタに顔を載せた方がいいよ」といったアドバイスをもらって。それからもいろいろ教えてもらって、アドバイスを参考にとうあとして売り出す活動がスタートしました。

――その先輩はとうあさんの可能性を見抜かれていたんですね。

とうあ 高校では男の子が少ないのもあって、入学当初から注目されていました。インスタに顔は出していなかったんですけど、服は載せていて。それを見つけた先輩が「可愛いね」と言ってくれて、可愛がってもらいました。おそらく、その先輩がいなかったらYouTubeも始めてなかったですし、インスタもそこまで力を入れていなかったと思うので、今でも感謝しています。