インドで日本語が恋しくなって日本語の本を読む機会が増えた

――「第16回出版甲子園」でグランプリを受賞した企画を基に書いた初の著作『JK、インドで常識ぶっ壊される』が昨年12月27日に発売になりました。どうして本書を書こうと思ったのでしょうか?

熊谷はるか(以下、熊谷) 中学3年生の夏に父の転勤でインドに行って、いろんなものに出会う中で、見たものを言葉として残しておきたいという気持ちが強くなりました。言語化することによって、深くインドを理解することに繋がるのでは?と考えたんです。

――インドに引っ越したのが3年前にも関わらず、記憶が鮮明なことに驚きました。その都度メモなどを取っていたのでしょうか?

熊谷 全部細かく書いていた訳ではありませんが、印象に残ったものはメモしていました。あと断片的な記憶は、かなり残っていました。

――読書自体も好きでしたか?

熊谷 両親のおかげで小さい頃から本を読んで育ってきましたし、今もいろんなジャンルを読みます。インドに行ってからは学校内が全部英語で、生活の中で日本語に触れる機会が少なかったんです。それで日本語が恋しくなって、インドに行ってからのほうが、日本語の本を読む機会が増えたかもしれません。インドではそれほど日本語の本は手に入らないので、親の本棚から探したり、一時帰国したときにスーツケースいっぱいに本を詰めて帰ったり。

――特に好きなジャンルは何でしょうか?

熊谷 基本的には小説が好きですが、ノンフィクションも読みます。純文学はたくさん読んでいた訳ではありませんが、いろんな作品に触れていくうちに幅も広がって、今では自分にとって大切な作品もたくさんあります。

――インドについて書かれたエッセイや紀行文は数多くあって、名著と呼ばれている作品もありますが、女子高生の視点は過去に聞いたことがありません。

熊谷 それがセールスポイントのひとつだと思っています。「今までインドについて書かれた本は有名なものもたくさんあるけど、女子高生とか、若い人向けの本ってあんまりないよね」という新たな視点を提示してみたいと思ったんです。インドっていうだけでインパクトがありますし、固定化したイメージも強いと思うんです。私自身、インドのイメージは本や小説などによって形作られてきたことに気づいたんです。若い世代にも「こういうことあるよね」みたいに、日常的なことを通してインドを伝えられたらなと思いました。それが足がかりとなって、インドだけでなく、他の海外の文化にも触れてもらうきっかけになればいいなという気持ちもあります。