どのキャラクターもどうしようもないけど可愛らしいところもある

――熱狂的なファンを持つ今泉力哉監督と城定秀夫監督が、お互いの脚本を提供しあうラブストーリー『愛なのに』『猫は逃げた』。さとうさんは城定監督が手がけた『愛なのに』で、主人公の古本屋店主・多⽥浩司(瀬⼾康史)が思いを寄せる昔のバイト仲間・一花を演じました。今泉監督の書いた脚本を読んだ印象はいかがでしたか?

さとう どのキャラクターもどうしようもないけど、可愛らしいところもあって。それが交差すると、こういうことになるんだ、みたいな意外性がありました。脚本を読んだ段階では、どうやって映像化するんだろうと思いましたが、完成した作品を観て、すごく可愛らしい映画になっていました。

――一花は婚約相手がいながら、あることをきっかけに多田を翻弄します。一花の行動は理解できましたか?

さとう 行動に関しては理解できないんですけど、これと決めたらガーッ!って向かっていくところは似ているところがあるかもしれません。私も「やるぞ!」と決めたら、それに対して一直線になっちゃうんですよね。一花の場合は、それがちょっと屈折した方向に向かってしまいますが。周りから見たら屈折していても、真っ直ぐだからこその純粋さがあります。

――一花に限らず、どのキャラクターも純粋な面があるので、最低なことをしていても可愛げがありますよね。セリフは脚本通りですか?

さとう そうですね。会話がとても面白い脚本だったので、自然にみんな入り込むことができたんじゃないかな。城定監督が自由にやらせてくれたというところも大きいですし、演じていて楽しい現場でした。

――ドロドロの恋愛劇になってもおかしくないストーリーですが、コメディー要素もあって、観終えた後は爽やかさすら感じました。コメディー的な演技は意識しましたか?

さとう 全く意識しなかったです。一花の気持ちそのままに挑んでいたような感覚があって、「これはウケるぞ」と思って演じたことは一度もなかったです。『愛なのに』の面白いところって、みんなが真っすぐでバカ正直に見えているところがクスッと笑えるんだろうなという気がしていて。可愛らしいなと思える要素がふんだんに入っているのも同じ理由なのかなと思います。