城定監督は心情をそのまま表すことを大事にする

――城定監督の演出はいかがでしたか。

さとう 細かいという印象はなくて、好きにやらせていただきました。一方で、こういう映像を見せたいというのが明確に見えてらっしゃるんだろうなと。撮影中は気づかなかったけど、映像を見ると「なるほど。観ている人がいろんな受け取り方ができるような表情を撮りたかったんだな」と後になってわかることもありました。

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

さとう すごくワイワイして良い雰囲気でした。これは何度も言っていていつか城定監督に怒られそうなんですけ、私と瀬⼾康史さんとの絡みのシーンを、城定監督自ら助監督さんと一緒に演じてくれたんです。お洋服も脱いで、パンツ姿になって、「こういう風にやってほしいので、今から見てもらいます」って、すごく濃密に絡み合って(笑)。それが印象的過ぎて、今も私の頭の中で映像として残っています。

――その姿を見ていかがでしたか?

さとう あまりにもすごすぎて「ちょっと再現できないです」って言いました(笑)。今考えると、城定監督は心情をそのまま表すことを大事にされていたのかなと。だから激しく強めの演技指導をしてくださったのかなと思います。実際、心情の変化をそのまま映像で表現しているのが伝わってきて、なるほど、素晴らしいと思いました。

――結婚前の女性の心理が生々しく描かれていますが、さとうさんから見ても違和感はなかったですか?

さとう そういう経験はしたことがないんですけど、周りから聞くとあるあるみたいで。いろんな形のカップルがいるけど、この映画で描かれていることは起きうることなんだろうなと思います。だから一花に共感してくれる人も多いのではないでしょうか。ただ、やられたらやり返すという精神で突っ走ってしまった後、そのまま恋人関係を続けられるのかどうかは不安ですけどね。

――浩司は一花に対する恋心を何年経っても大切にしていますが、そういう男性はいかがですか?

さとう 一途な恋を守り続けるって素敵ですよね。この映画を観た女性と、浩司みたいな人がいいのか、一花の婚約相手で浮気性の亮介みたいな人がいいのかを話したこともあったんですけど、なかなか浩司みたいな人っていない気がして。あそこまで真っ直ぐに自分のことを想ってくれてたら、やっぱり心は揺れますよね。

――浩司を演じた瀬戸さんの印象を教えてください。

さとう 一度ドラマで共演させていただいたことがあったんですけど、瀬戸さんそのものでお芝居をされるという印象があって。今回も浩司と話しているけど、瀬戸さんと話しているみたいな、不思議な感覚にさせてくれる方です。場を和ませてくれるので、現場もやりやすいんです。