歌詞を書く上で日本語ならではの美しい響きがある

――4枚目のソロアルバム『more…』は前作から4年ぶりとインターバルが空きました。

ユナク 2年前に予定していたのですが、コロナ禍の影響で延びたところもあって。でも急がずに準備したことで、今僕が感じていることや音楽性をまとめることができて良かったです。

――過去のソロアルバムよりも落ち着いた、大人な雰囲気の曲が増えたと感じました。ダンスナンバーが主流のK-POPと一線を画しています。

ユナク 僕が年齢を重ねたこともあり、大人な雰囲気の曲を意識しました。一回り以上も年の離れた若いアーティストたちが担っている流行りの音楽を僕がやるのも違うなと思うんです。等身大がかっこ良いと思いますし、そうなっていきたいなと思って今の自分に合っているものを曲にしました。いろいろな経験を重ねてきて、低音から高音まで、いろいろな歌声も出せるようになったので、曲によって歌い方も変えています。

――SUPERNOVA(超新星)とソロで意識的に変えていることはありますか?

ユナク SUPERNOVA(超新星)は多くの人に「いいじゃん」と共感してもらえるメロディーを意識したグループなので、ヴォーカルの色を強めにしたり、爽やかな曲が念頭にあったりします。グループでソロ色を出すことは少ないので、ソロのときは自分の色に近い、自分が届けたい曲、皆さんに聴いてほしい曲を作りました。

――制作はどのように進めていったのでしょうか?

ユナク 14人の作曲家・トラックメーカーからなるクリエイティブチームで進めましたが、僕もその中の1人です。僕から「こういう曲で、これは悲しい曲だから、こういう内容にしたい」と説明をした上で、バランスを取って進めてもらっています。出来上がった歌詞、トラック、メロディーの修正を、みんなで一緒にやっています。僕は妥協しないタイプなので、すべてが一体化していてほしいんです。だから、いつもスタッフが苦労します(笑)。

――今回のアルバムのテーマを教えてください。

ユナク 人生は人との関わりの連続です。愛、別れ、嫌な気持ち、好きな気持ち……共感できるものは、そういうところに尽きるのではないでしょうか。人の縁という視点で、僕なりの想いを描きました。

――日本語の歌詞で日本人の心に訴える内容だと感じました。

ユナク 日本の皆さんに共感してもらえる歌詞にするために、日本人の方もメンバーに入れています。主に歌詞を担当しているのは3人。全体的な構成は僕、細かい作業をする方と、それを橋渡し的に繋げてくれる方がいて、最終的に3人で調整をします。たとえば今回のリード曲「Time ~流れていく時間にすべて消されるなら~」は3人のシステムで作られたものですが、一番困ったのが「息もできないこのしじま」という歌詞です。曲が最高潮になったところで「しじま(静寂)~」と歌うんですが、僕には「七味~」と言っているようにしか聞こえない(笑)。英語を使うことも考えましたが、日本人スタッフに変に聴こえないか聞いたら「大丈夫」と言ってもらえたので、今の歌詞に落ち着きました。日本語ならではの美しい響きがあって、日本語だからこそ良いメロディーラインになることも多いのですが、韓国人としては発音がすごく難しい。でもそれも面白いです。

――コロナ禍でライブができない時期はどのように過ごされていましたか?

ユナク 日本と韓国はこんなに近い距離なのにファンの皆さんと会えなくなって、SUPERNOVA(超新星)に対する情熱が落ち着いて、僕らのことを忘れてしまうんじゃないかという不安もありました。だからこそ早くライブを開催したかったのですが、それもできない状況なので。曲作りをしながら、新人育成を含めて、いろいろなエンタメ関係の仕事をしていました。僕はあまり休みたくないタイプで、仕事をしていないと不安になってしまうんです。

――ユナクさんは2020年から、今回のアルバムでも数曲参加している11人組日韓合同グローバルグループ「NIK」のプロデュースも手掛けています。後進の育成は昔から興味があったのでしょうか。

ユナク プロデュースは昔からやりたかったことで、それが2年前に叶えられたんですが、コロナ禍で活動が一時休止になって大変な時期もありました。でも無事にNIKの活動が再開して、共同作業もできてうれしかったです。彼らにとって僕はお兄さん、もしくはパパみたいな存在です(笑)。彼らの可能性を見てほしいですし、もっと知られるようになってほしい。彼らは単純にルックスで選ばれたのではなく、実力が認められて選ばれたメンバーですから。