みんなが爪痕を残せて成長を実感できた
――今回のアルバムにはデビューからこれまでの楽曲が収録されていますが、レコーディングや制作で印象的なことはありますか?
よせい 「パンデモニウム」は一番みんなが苦戦した曲だと思います。
ゆゆん 苦戦したねぇ〜。
よせい mzsrzの中でもちょっと新しいジャンルで、中でもハモのメロディラインが「そっちの音階にいく?」みたいな感じで挑戦しがいのある曲だったので(笑)。完成した曲を聞いたときは「mzsrzやったぞ!」と進化した感じがしました。
ゆゆん オーディションの時の課題曲が「インベーダー」だったんですが、そのときは1人ずつで歌ったので、mzsrz結成後にリリースされるとは全く思ってなくて。「リリースします」と言われたときはびっくりしたし、いざレコーディングしてみると、オーディションのときに比べて表現力や歌い方、声質も良くなっていて全然別物になっていて、みんながすごく成長したなと感じました。
よせい 「インベーダー」の実果のフェイク、めちゃめちゃいいのでぜひ聴いてください!(笑)。お気に入りです!
大原 最初にリリースした「夜明け」は舌がおかしくなるんじゃないかというくらいの早口で難しかったんですが、作品が増えていくるごとに、レコーディングに臨む度に、だんだん歌の難易度が上がっていくので、毎回やばいなと思いながら練習するんです。自分の声の持ち味はパーンと突き抜けるような迫力だと思っていたのですが、「フェーダー」は水のような静かな感じで始まるので、レコーディングでは「もうちょっと声を小さく」と何度も言われて。静かに歌うことに慣れていなかったので、自分の中の新しい歌声が出せたなと思いました。あと「フェーダー」の最後でフェイクをやっていて、すごく高くて出すのが大変なんですよ。レコーディングではなんとか乗りましたが、いつでもちゃんと出せるか毎回不安で……。
よせい 本人は「出てない」っていつも不安がっているんですけど、出ているんですよ。すごいなと思います(笑)。
作山 最初の頃はみんなが同じ分量を歌っている感じだったんですけど、「インベーダー」とか「フェーダー」ではフェイクをさせてもらえて、一人ひとりの歌唱力を曲で表現できるようになっていて。DECO*27さんにそんな機会をもらえたのは成長できたからだと思うし、みんながちゃんと爪痕を残せているので、そういうところで成長を実感できました。
実果 私は最初にレコーディングした「夜明け」で上手くいかなくて、泣いてしまったんです。申し訳なくてDECO*27さんに「ごめんなさい」と言ったら、「やりたいことができるようになるまで導くから」と言ってくださったのが本当に嬉しくて、頑張ることができました。「夜明け」も「パントマイム」も歌い出しを担当していて、どちらも繊細に感情を込めて歌っているんですけど、それぞれで変化を感じられると思うので、このアルバムで聴いてみてほしいです。