誰かの言うことや人目を気にしたりするのは超もったいない

――Chim↑Pomでは、現代社会を追求するリアルな作品を次々に制作されていますが、どのような瞬間にアイディアが生まれるのでしょうか?

エリイ 私の場合、歩いているときやシャワーを浴びているときが多いです。知らないうちにどこかで考えていたことが、歩いて身体を使っていることで浮上してくるのかな、と思います。実際、座った状態で考えることはほとんどありません。

――核問題や原発事故などをテーマにしたクリティカルな作品には、さまざまな意見が寄せられると思います。

エリイ アートには正解があると思っています。発表するときには、完璧だと思って出しているので、それが批判に晒されてもあまり気持ちは崩れません。アートについて批判が起こることについては、何とも思わないんです。ただ最近は、この作品を出したらこういう批判が来るだろうな、という想像がつくようになってきました。

――現在、森美術館で、「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」が開催されています。初めてChim↑Pomの作品を観る方に、見どころを教えてください。

エリイ 初めて行くなら、(展示物の)キャプションを読んだほうが面白いと思います。見るだけだと、何が何だか分からないけれど、よく読むと「ああそうなんだ」と繋がってくるものがあるので、おすすめです。音声ガイドを聞きながら観るのもいいと思います。音声は、いつも展覧会にも来てくださる歌手の和田彩花さんに担当していただきました。ぜひたくさんの方に観に来ていただきたいです。

――今後、新しく挑戦してみたいことはありますか?

エリイ 最近、日本刀にハマっているので、勉強してもっと詳しくなりたいです。そういえば、刀屋さんが『鬼滅の刃』の影響で刀が売れるようになったと言っていました。

――最後に、これから進路の選択を控える読者にメッセージをお願いします。

エリイ 周りの人は誰も自分の人生に責任を持ってくれないし、人生を代わってくれる訳ではないから、自分の人生は自分で決めるしかありません。だから、誰かの言うことや人目を気にしたりするのは超もったいないと思います。やりたいと思ったことを、やりたい!

Information

『はい、こんにちは Chim↑Pomエリイの生活と意見』
発売中

著者:エリイ
出版社:新潮社
価格:1,800円(税別)

公式サイト

「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」
結成17年。日本で最もラディカルなアーティスト・コレクティブ「Chim↑Pom」最大の回顧展。

会期:2022年2月18日(金)~5月29日(日)
会場:森美術館ほか
お問合せ:www.mori.art.museum

開館時間:10:00~22:00(火曜日のみ17:00まで)
*入館は閉館の30分前まで
*会期中無休
*5/3(火)は22:00 まで。

入館料:一般(平日)1,800円ほか

エリイ

アーティスト

2005年に東京で結成されたアジアを代表するアーティストコレクティブ、卯城竜太・林靖高・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀とともに構成されたChim↑Pomのメンバー。時代のリアルを追究し、現代社会に全力で介入したクリティカルな作品を次々と発表。主な個展に《「Real Times」無人島プロダクション、東京、2011》《「Chim↑Pom」MoMA PS1、ニューヨーク、2011》《「LEVEL 7 feat.『広島!!!!』」原爆の図丸木美術館、埼玉、2011》《「SUPER RAT」サーチ・ギャラリー、ロンドン、2015》《「また明日も観てくれるかな?」歌舞伎町商店街振興組合ビル、東京、2016》《「Threat of Peace (広島!!!!!!)」Art in General、ニューヨーク、2019》《「May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic」ANOMALY、東京、2020》。写真集に『エリイはいつも気持ち悪い エリイ写真集 produced by Chim↑Pom』(朝日出版社、2014)。プロジェクトベースの作品は、グッゲンハイム美術館、ポンピドゥ・センターなどにコレクションされている。

Photographer:Yuta Kono,Interviewer:YukinaOhtani