「一回やってみようか」くらいの軽い気持ちで俳優を始めた

――このお仕事に就くまでのお話をお伺いします。高校卒業後は映像の専門学校に進まれたそうですね。

毎熊 小さい頃から映画が好きで、ずっと映画の世界に行きたいと思っていて、周りにも公言していたんです。なので親も高校卒業後、映画の学校に行くことに関して反対もなくて、今考えるとありがたかったです。

――その時点では役者になるとは考えてはいなかったのでしょうか?

毎熊 1年生のときは撮影照明専攻で、2年生のときに監督専攻に変更したのですが、役者は考えてなかったです。

――映画に詳しい学生も多かったですか?

毎熊 やっぱりすごかったですよ。中学・高校でも映画が好きな友達はいましたが、それほど作品を観ていない人が多かったです。いざ東京へ行くと、「変態?」というくらい映画のことしか頭にないような人ばかりだったので、自分は普通なんだと思って、衝撃を受けました。

――俳優になろうと思ったのはいつ頃ですか?

毎熊 3年制の学校だったのですが、卒業する少し前です。当時は制作会社に入ろうかなという気持ちもあったので、企業説明会にも行って、いろんな人から話を聞いてみたりしましたが、自分の中でこれだ!という思いにならなかったのが、正直な感想でした。

――どうして俳優になろうと考えたのでしょうか?

毎熊 「俺は俳優になるんだ!」みたいな気持ちではなく、一回やってみようかくらいの、軽いところから始まりました。そういう状態で俳優という変な世界というか(笑)、大変なことを始めてしまいました。やってみたら案の定、なかなか上手くいかなかったんですが、だったら上手くなるまで続けようと。でも当時、このまま一生バイトをしながら俳優をやっていくのだろうかと考えるのは恐ろしかったです。

――俳優というお仕事に真剣に向き合うきっかけはあったのでしょうか?

毎熊 「一生バイトして生きていくのか?」と思い始めた25歳ぐらいの頃、バイト先で「正社員にならないか?」と言われて、初めて何をやっていくか嫌になるほど考えました。その結果、俳優を続ける道を選びました。そのときに絶対に辞めないと決めて今に至ります。

――最後に進路選択を控えるティーンにメッセージをお願いします。

毎熊 悩んでも分からないときは、まずはやってみたらいいんじゃないかと思います。やってみたら何かに出会うものです。やらなかったり、辞めたりしたら、その出会いすら無いですから。やりたいことがないなと感じている人でも、「これ嫌いだな」「これ好きかも」というのは絶対にあるはずです。何か思うことがあるなら、犯罪以外はとりあえずやってみたらいいんじゃないかと思います。

Information

『猫は逃げた』
2022年3⽉18⽇(⾦)新宿武蔵野館ほか全国順次公開

監督:今泉⼒哉
脚本:城定秀夫 今泉⼒哉
出演:⼭本奈⾐瑠 毎熊克哉 ⼿島実優 井之脇海 伊藤俊介(オズワルド)中村久美 オセロ(猫)
©2021『猫は逃げた』フィルムパートナーズ

漫画家・町⽥亜⼦(⼭本奈⾐瑠)と週刊誌記者の広重(毎熊克哉)は離婚間近の夫
婦。広重は同僚の真実⼦(⼿島実優)と浮気中で、亜⼦は編集者の松⼭(井之脇海)
と体の関係を持ち、夫婦関係は冷え切っていた。2⼈は飼い猫カンタをどちらが引き
取るかで揉めていたが、その⽮先、カンタが家からいなくなってしまい……。

公式サイト

公式Twitter

毎熊克哉

俳優

1987年3⽉28⽇⽣まれ。広島県出⾝。2016年、主演映画『ケンとカズ』で「毎⽇映画コンクールスポニチグランプリ」新⼈賞、「⾼崎映画祭」最優秀新進男優賞他、多数受賞。近年の主な出演作品に、映画『AI 崩壊』(20/⼊江悠監督)、『⽣きちゃった』(20/⽯井裕也監督)、『サイレント・トーキョー』(20/波多野貴⽂監督)、『孤狼の⾎ LEVEL2』(21/⽩⽯和彌監督)、『マイ・ダディ』(21/⾦井純⼀監督)、ドラマ「半径 5 メートル」(NHK)などがある。

Photographer:Toshimasa Takeda,Interviewer:Takahiro Iguchi, Stylist:Takahumi Kawasaki, Hair&Make:Misuzu Mogi