一曲一曲の強度に注力して、それが作品群になっていくのが美しい形

――4thフルアルバム『Get Set』を制作する際に、トータルのコンセプトは設定していたのでしょうか?

atagi 今回はコンセプトを定めてアルバムに、という形ではなかったです。今の時代、ものすごい速さで曲を作って、ストリーミングで公開することを繰り返す。それがアーカイブになってアルバムになっていくのが健全な気がします。一曲一曲の強度に注力して、それが作品群になっていくのが美しい形だなと思っているので、そういうアルバムにしようという話をしました。

――2020年7月に2ndの『Grow apart』、2021年2月に3rdの『Grower』、そして今年3月に『Get Set』とハイスピードでアルバムをリリースされています。

atagi 自分たちでも早いなと思います。ずっとできることではないですが、できるうちは頑張ろうと。

――2020年8月から現在の3人体制になって、音楽性もより複雑化しているように感じます。

atagi それはありますね。やり過ぎも良くないなとは思いますが、今の自分たちにとっては必要な複雑化だったと信じています。

PORIN atagi節みたいなものが強くなって、その変化を私はスムーズに受け入れられるんですが、よく「難し過ぎてカラオケで歌えない!」と言われます(笑)。

――曲によってアレンジャーを変えていますが、どういう基準で人選しているのでしょうか?

atagi 主に音色と、その人が持つグルーヴ感です。ラフデモのようなものを作ってから、どのアレンジャーに頼むかをメンバーやスタッフに相談することが多いです。

モリシー アレンジャーさんが変わると、ギターの音色も気分的に違うところがあったりします。ただ何度か一緒にやったことある人たちがほとんどなので、なんとなくアレンジの算段はつきますね。

――『Get Set』収録曲の中から、ティーンにおススメの曲を、それぞれ1曲ずつ挙げていただけますか?

PORIN 「雪どけ」はオーサム流のウィンターソングで、「今年ももう終わるね」という大事なフレーズが入っています。たとえば1年の終わりに、高校の思い出を総括したような動画を作りながら、この楽曲を使ってもらえたら最高だなと思います。

モリシー ギターを弾く人に向けてだと「you」がおススメです。コードがコロコロ変わらないからコピーしやすいと思いますし、アコギでの弾き語りに合う曲です。かくいう僕は、1回もアコギで弾き語りしたことはないですが(笑)。

atagi 僕は「On Your Mark」がオススメです。ティーンは日々戦いだと思うんですよね。学年が変わってクラス替えがあるなど、新しいことを迎えるときってドキドキするし、怖さもあると思います。高校を卒業して新生活を始めるときも、あんなに母ちゃんに腹を立てていたのに、親元から離れて不安になったりして。そんなときの弾みになれるような楽曲を作りたいなと思って作った楽曲なので、ぜひ聴いてほしいです。