高校時代から音楽一色の生活を送っていた

――音楽を始めたきっかけを教えてください。

PORIN 中学生のときは陸上部でしたが、バンドを組みたいと思って同級生の女の子を誘ってスリーピースバンドを組みました。中学2年生のときに、3年生の送別会でステージに立ったのがバンドの原体験です。本格的に音楽の世界へ進もうと思ったのは大学生のときです。自由を求めて中高大一貫の学校に入って伸び伸びとやっていたのに、みんなと同じスーツを着て就職活動することに違和感があったんです。そのとき一番好きだったのが音楽だったので、大学に通いながら路上ライブなどをしていました。

モリシー 小学5年生のときにB’zの「Calling」を聴いて、エレキギターってかっこいいと思ってギターを弾き始めて、どんどんのめり込んでいきました。「音楽で食っていくぞ!」という気持ちはあまりなかったんですが、バンド活動はコンスタントにしていました。大学生になって知り合いと飲んだりすると、「うちのバンドに入ってくれない?」みたいなことがあって、オーサムもきっかけはそんな感じでした。

atagi 僕も小学5年生ぐらいのときに、こっそり親父のギターを触りだしたのがきっかけでギターを弾くようになりました。最初は独学だったんですけど、いろいろな本を漁ったり、人のコピーをするようになって、いつの間にか音楽の世界にのめり込んでいきました。ただ田舎育ちで、周りに楽器ができる人も少なかったですし、中学の同級生にはドラムが叩ける友人なんて一人もいなかったので、バンドを組めるようになったのは高校に入ってからです。

――高校時代から音楽中心の生活ですか?

atagi そうですね。打ち込めるものに初めて出合ったというか、とにかくギターを練習していました。釣りもよくやっていたんですけど、ギターへののめり込み具合は、その比じゃなかったです。

――その頃には上京して音楽を続けたいと考えていましたか?

atagi やんわりと思っていました。少なくとも大学へ行くという選択肢は自分の中で持っていなくて、音楽でどうやったら食っていけるのかということばかり考えるようになりました。そのあたりからそういうイメージができていたのかなと思いますし、高校卒業後は音楽系の専門学校に進学しました。

――モリシーさんも高校時代は音楽一色という感じですか?

モリシー 僕にとって高校時代はギターを一番弾いていた時期でしたし、当時からライブハウスにも出ていました。友達と即席のバンドを組んだり、目上の方と一緒に演奏したりしていました。元キャロル(※矢沢永吉などが在籍した1970年代に活躍したロックバンド)の内海利勝さんなどが入り浸るライブハウスがあって、よく遊びに行ったりしていました。

atagi 目上というか大御所じゃん!

モリシー でも高校生だからキャロルのことは知らなかったので、後になって「そんなすごい人だったの!?」ってドン引きして(笑)。

PORIN 身近にそんな人がいるなんてすごいね!

モリシー いろいろ教わりましたし、自分の父親くらいの年齢の人と一緒に演奏するようになったことで、「お前ちょっとええ感じやから、今度この現場で弾け」みたいな感じで、そこからお仕事をいただけたこともありました。ただ、そのときはプロ意識なんてかけらもなくて、「やったー!小遣いもらえる!ラッキー!」みたいな感じでした。

――モリシーさんは大学に進学したんですよね。

モリシー 進学しましたが、ほとんど学校にも行かず、ギリギリ4年間で卒業しました。PORINと同じで就職という選択肢は自分の頭の中にはなくて、卒業する頃にオーサムの前のバンドに加入していたので、ツアーでいろいろな土地にも行ったりしていました。

――PORINさんはどのような大学生活を過ごしていましたか?

PORIN 学校に通ってましたが、大学に自分の気持ちはなかったです。音楽以外では、洋服も好きだったのでアパレルでアルバイトもしていて、趣味に時間を費やしていました。

――atagiさんは就職を考えたことはありますか?

atagi 考えていなかったです。音楽を続けることに関して、親から助言っぽい感じでちくちく言われていたんです。22歳くらいのタイミングで「ちょっと人生見つめ直したら?」みたいなことを言われたり、26歳くらいになると、「もういっぱしの大人の仲間入りやから、人生ちゃんと考えたら?」と、節目節目にジャブを入れられたり。何かご縁があれば就職してもいいかなという気持ちもありましたが、やはり音楽に携われる世界がいいと思っていました。唯一、自分で耕した土のある分野でしたし、アルバイトも音楽界隈を能動的に選んでいました。