劣等感を全部愛に変えていく

前日まで降り続けていた雨も奇跡的にやんだ当日、日比谷野音は“神サイ”を心待ちにしていた多くの人で埋め尽くされていた。午後6時の定刻過ぎに始まったライブはアルバム『事象の地平線』収録曲を中心に、珠玉のナンバーを立て続けに披露。

ボーカルの柳田周作をはじめ、ギターの吉田喜一とベースの桐木岳貢もステージを縦横無尽に動き回って観客を煽れば、ドラムの黒川亮介も力強いプレイでアンサンブルをさらに彩り、オープニングから全速力の盛り上がりを構築していく。

MCで柳田が「普段は緊張と不安で楽屋では悲惨な表情をしているんですけど、今日に関しては、ひたすらにみんなと会えるのをずっと楽しみにしていました」と喜びを伝えると、観客からも温かい拍手が送られる。そして、「僕らはいつも劣等感や苦しさを抱えてきましたけど、そういうヘイトを全部、愛に変えてみなさんにぶちまけてやろうと思います!」と叫び、そのまま『パーフェクト・ルーキーズ』へ。「劣等感を愛に」というポジティブな言葉通り、熱いサウンドを響かせる。

神サイのライブにおいてはボーカル・柳田の表現力も醍醐味の一つ。レンジの広い声質と豊潤なボリュームを持った歌声は会場に反響し、聴く者一人ひとりの身体に浸透していくよう。