兄の気遣いで心が軽くなったり救われたりすることがよくある

――『桜のような僕の恋人』というタイトルだけあって、桜の美しさが際立っていました。

松本 本当に綺麗で、題名に入っているだけのことはあります。3月から5月にかけての撮影で桜のシーズンでした。これまで桜を強く意識したことはなかったのですが、特別なものになったというか、今では桜のお菓子などがあったら反応しちゃいます(笑)。

――恋愛だけではなく、家族の絆も大きなテーマになっている映画ですが、松本さんはご家族とはどのような交流をしていますか?

松本 私も美咲と一緒で、兄がいて、誕生日にはプレゼントを送ってきてくれたり、たまに連絡して体調を気遣ってくれたり。ちょっと自分が落ち込んでいるときには、心が軽くなったり救われたりすることもよくあるので、家族って大事だなと感じます。

――この作品に出てくるような妹思いのお兄さんなんですね。

松本 そこまでではないです(笑)。あんなお兄ちゃんがいたら最高だなと思います。お兄ちゃんを演じている永山絢斗さんは役柄と同じく温かい方で、一つひとつ丁寧に反応してくださって、永山さんがお兄ちゃん役でよかったと思います。本作の試写を隣同士で観たので、終わった後、「よかったね、いいものになったね」という話をしました。

――新学期を迎え、新しい環境に飛び込む人も多いですが、松本さんは新学期を迎えたときなど、新たに友達を作るのは得意でしたか?

松本 しばらく居場所を見つけられないタイプの子でした。それでも今でもずっと仲がいい学生時代の友人はいるので、スロースタートだったとしても、きっと居場所は見つけられると思っています。気の合う人が一人でもいれば十分で、みんなと仲良くなる必要はないのかなと思います。気の合う人を一人でも見つけて笑い合えればいいんですよね。高校の友達とは今でも交流があって、舞台に出たときは地元から観に来てくれてたり、いつも応援してくれています。

――お友達も本作が楽しみだと思います。

松本 きっと観てくれると思います。『桜のような僕の恋人』は、時間は無限にあるものではないということが描かれている映画です。よくある言い方ではありますが、思ったことは、そのときに伝えるべきなんだなと、私も撮影を通して思いました。恋愛に限らず、友情、家族にも通じるストーリーで、もっと時間を大切にしようとか、周りにいる人を大切にしようと思えるきっかけになるような映画になればいいなと思います。

Information

Netflix映画
『桜のような僕の恋人』
2022年3月24日(木)Netflixにて全世界独占配信

原作:宇山佳佑『桜のような僕の恋人』(集英社文庫刊)
監督:深川栄洋
脚本:吉田智子
主題歌:Mr.Children「永遠」(TOY’S FACTORY)
キャスト:
中島健人 松本穂香
永山絢斗 桜井ユキ 栁俊太郎 若月佑美
要潤 眞島秀和 モロ師岡 / 及川光博

美容師の美咲(松本穂香)に恋をした晴人(中島健人)は、勇気を出して彼女をデートに誘う。目標に向かって頑張る美咲にふさわしい人間になるべく、諦めかけていたカメラマンへの夢を叶えるため再びカメラと向き合うことを決意する。しかし、美咲は「人の何十倍も早く老いていく」という難病を発症する。好きな人と同じ速度で歳月を重ねることができないという残酷な現実を前に、美咲が下した決断とは?

公式サイト

松本穂香

俳優

1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年、高校在学中に主演短編映画『MY NAME』で女優デビュー。2017年、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」に出演して注目を集める。2018年、ドラマ「この世界の片隅に」(TBS系)で連続ドラマ初主演。2019年、『おいしい家族』で長編映画初主演。主な映画出演作に『わたしは光をにぎっている』(19)、『酔うと化け物になる父がつらい』(20)、『君が世界のはじまり』(20)、『みをつくし料理帖』(20)。2021年11月19日、ヒロインを務める映画『ミュジコフィリア』が公開。本作『桜のような僕の恋人』(Netflix)の全世界配信が控えている。

Photographer::Toshimasa Takeda,Interviewer:Kozue Nakamura, Stylist:Ami Michibata, Hair&Make:Izumi Omagari