素直な反応を大切にして決め込まずに撮影に臨んだ

――絵里を演じる上で、どんな役作りを意識しましたか?

瀬戸 絵里は水辺の街を初めてゆっくり探索するという設定だったので、皆さんとの会話の中で、素直な反応ができたらと、あまり決め込まずに臨みました。特に監督から指示はありませんでしたが、絵里は真面目で素直という印象があったので、それが動きやしぐさ、話し方などで表現することを意識しました。

――感情表現をする上で心掛けていたことを教えてください。

瀬戸 あまり言葉を強く言いすぎないようにしていたのですが、完成したものを見たときに、思いのほか強く言葉をぶつけていました。特に非難するセリフは、自分が想定していたより絵里の感情が出ていて少し驚いたのですが、絵里の性格を表しているようにも感じました。

――瀬戸さん自身、絵里のように思ったことをストレートに言えるほうですか?

瀬戸 私は無理ですね。絵里はまっすぐで裏表がなくて、気持ちの切り替えが上手で、そういうところに憧れます。

――絵里と共通する部分はありましたか?

瀬戸 真面目な部分が似ているなと思います。彼女の行動や発言に共感できる部分も多々ありました。また、絵里と私は同い年ということもあって、等身大で演じることができて楽しかったです。

――映画は地元のバーを拠点に、人と人がどんどん繋がっていきます。

瀬戸 映画の関係者の方が集まるお店に行ったことがあるのですが、そこには共通の知り合いの方がたくさんいらっしゃって、こうやって人と人は繋がっていくんだなと感じました。なのでバーでみんなと会うシーンでは「こういうことってあるよね」と思いました。

――ご自身はそういう形で人と仲良くなるのは得意な方ですか?

瀬戸 不得意です(笑)。緊張します。そういう場は、円滑にコミュニケーションができる人でないと難しいと思うので、自分としては難しいなと思います。

――完成した映画を見ていかがでしたか?

瀬戸 皆さんの個性が魅力的に映っている楽しい映画だなと感じました。脚本で読んだときよりもずっと面白くて素敵な作品になったと思います。

――改めて『クレマチスの窓辺』の見どころをアピールしてください。

瀬戸 今は遠出するのが難しい世の中だと思いますので、この映画の中で絵里と一緒にヴァカンスを楽しんでいただけたらうれしいです。景色が本当に美しいので、ぜひ注目していただきたいです。