お仕事を通じて「こんな自分でもいいんだ」と肯定してもらえた
――キャリアについてお伺いします。芸能をめざしたきっかけを教えてください。
瀬戸 ずっと写真を撮られるのが苦手で、それを克服したいなという思いがありました。そんな中、大学生のときに知り合いが写真を撮ってくれる機会があって、モデルのお仕事をいただけるようになりました。
――自分から積極的にモデル活動を始めた訳ではなかったんですね。
瀬戸 もともと家庭科の先生に憧れていて、その資格が取れる大学に進学しました。でも資格を取るための授業はものすごく大変で、大学2年生でリタイアしました。自分が本当にやりたいことは何だろうと思いながら、芸能活動を続けていました。就職するか、芸能に進むかという状況で、芸能を選んだのは、それまで自分が本当にやりたかったことに出会えなかった私にとって、この道は初めて自分からやってみたいと思えるものだったからです。
――ご家族の反応はいかがでしたか?
瀬戸 就職活動をしないことを選択したときに、「自分はこういうお仕事をしていきたい」と両親に伝えました。特に反対もされなかったのですが、おそらくすぐ辞めるだろうと、それほど期待はしていなかったと思います。それが思いのほか続いていて、現在に至ります(笑)。
――どうして写真を撮られることに抵抗があったのですか?
瀬戸 今こうして話している間も、自分が挙動不審な喋り方をしているんじゃないかと思のですが、今も自分自身のことが苦手です。そんな自分を変えたくて、このお仕事を始めたところもあります。
――もともと撮られることへの苦手意識を克服するために入った世界ですが、どうして本格的にやっていこうと決断できたのでしょうか?
瀬戸 自分に自信がなかったんですけど、「こんな自分でもいいんだ」と肯定してもらえる経験が何度かあって。こういう仕事をしていってもいいのかなと、その夢を目指す自分を許せるようになったことが大きいです。
――演技には興味があったんですか?
瀬戸 特別なかったです。映画もすごく好きというほどではありませんでした。「身長が高い」など、先天的な魅力のある方がモデルとして需要があると感じていて、自分はそのタイプではないと思っていました。一方、俳優は技術職で、スキルを磨いていくお仕事と感じていて、そちらのほうが向いているのかもしれないと思って、事務所に「お芝居を真剣にやりたいです。技術を磨いていきたいです」というお話をしました。
――最後に進路選択を控える読者にメッセージをお願いします。
瀬戸 自分の体験から言えるのは、自分がそのときに本当にやりたいと思ったことをやると後悔しないということです。だから少しでも興味があったら、そこに目を向けていくことがよいのではないでしょうか。
Information
『クレマチスの窓辺』
ヒューマントラストシネマ渋谷にて4/8(金) から4/14(木)まで1週間公開
キャスト:
瀬戸かほ
里内伽奈 福場俊策 小山梨奈 ミネオショウ 星能豊 サトウヒロキ 牛丸亮 宇乃うめの しじみ 西條裕美 小川節子
監督・編集:永岡俊幸
脚本:永岡俊幸、木島悠翔
配給・宣伝:アルミ―ド
©︎©︎ Route 9 2020/日本/カラー/62分/ヨーロピアンビスタ/デジタル
©︎© Route 9
東京生まれ東京育ちの絵里(瀬戸かほ)は、ストレスが溜まる都会での生活を抜け出して、地方の水辺の街でヴァカンスを過ごすことに。亡くなった祖母の古民家で暮らす1週間の中で、絵里はその街で生きている人々と交流する。建築家の従兄、そのフィアンセ、大学生の従妹、靴職人、古墳研究者、バックパッカーなど、一癖ある人ばかり。そんな出会いと祖母の遺したものたちが絵里を少しだけ変えていく――。
【舞台挨拶情報】
4/8(金)夜 瀬戸かほ、里内伽奈、小山梨奈、永岡俊幸監督
4/9(土)夜 瀬戸かほ、福場俊策、サトウヒロキ、小川節子、永岡俊幸監督
