スペーストラベルをテーマにした作品で持ち味を遺憾なく発揮したKOSÉ 8ROCKS

独自の世界観で唯一無二のパフォーマンスを作り出す「LIFULL ALT-RHYTHM」が今回掲げたテーマは「LIFE」。オープニング映像でDリーガー最年長の森井淳はテーマについて「ダンスってすごく楽しいし、涙が出てくる、想像力をかきたてる。人生そのもの」と語り、SPダンサーとしてダンスカンパニー「Co.Ruri Mito」を主催する三東瑠璃を招聘。全身白塗りで新聞紙をデザインした衣装を身にまとった6人と、普通の格好だが白塗りの森井淳と、森井に持ち上げられて新聞を読む三東瑠璃という異様な布陣でショーが始まる。音数の少ないサウンドに合わせて、6人がのそのそ歩いたりのけ反ったり伝言ゲームをしたり回転したりと不穏な動きをする中、森井は姿勢を変えながら三東を持ち上げ続け、ショーが終わる寸前にようやく三東が地に足を付けるという前衛的な内容。ジャッジのKATSU ONEは、「いい意味で悪い夢を見ているような、でも後ろに幸せを感じるような不思議な気分」と評した。

首位を死守できるのか勝負のかかる「FULLCAST RAISERZ」は、AFROダンスとKRUMPを融合させた「AFRO BUCK」をテーマに、スペシャルコレオグラファーを起用して、いつもとは一味違うパフォーマンスに挑戦。上半身裸でインディアンを彷彿とさせる衣装を身にまとい、プリミティブなサウンドに乗せて、激しく筋肉を動かしたかと思うと、地を這うように妖しく蠢き、時に太鼓のリズムに乗せてアクロバティックな技を繰り出す。68,5ポイントと高い評価を獲得するが、SEGA SAMMY LUXとは大きく点差が開いてしまう。

トータルランキングは3位ながらも、前ROUNDは6位と残念な結果に終わった「KOSÉ 8ROCKS」。巻き返しを図るべく掲げたテーマは「スペーストラベル」。宇宙を旅しているときに未知の惑星を見つけて探索、また新たな惑星に旅立つというストーリーを、彼らの持ち味である組技やアクロバットをふんだんに取り入れ、まるで無重力さながらのスペイシーなパフォーマンスは宇宙遊泳を見ているようにで、71ポイントを叩き出して2位に躍り出た。

SNSを通じて、ファンからテーマを募った「SEPTENI RAPTURES」は、「優弥/YUYAとRIRIKAのぶっ飛び作品が見たい」という声を採用したショーケースを展開。奇しくもKOSÉ 8ROCKSと同じく宇宙を感じさせる内容で、赤いつなぎを来た8人が、左右の両手足をテープで繋ぎ合わせたパペットスタイルによって、人間離れした動きを見せつけ、途中でバランスボールを使ったパフォーマンスをして無重力を表現。スピーディーな展開ながらも抜群のバランス感覚を見せつけ、70,5ポイントで3位につけた。

ラストの「dip BATTLES」が掲げたテーマは「BIKER」。オールドスクール愛の強いメンバーを中心に、POPとLOCKを自分たちなりに、スタイリッシュに表現した、シルエットから指先までこだわったロックテイスト溢れるショーを作り上げた。まるでドライブしているような動きから、ファンキーなLOCKダンスでチームワークの良さを見せつけ、後半にかけてエンジン全開でステージ全体を躍動する。その光景はバイカー映画を見ているようなかっこよさを印象付けた。

最終結果はオーディエンスポイントでも20ポイントを獲得したSEGA SAMMY LUXが見事に3連勝を飾り、2位にKOSÉ 8ROCKS、3位にavex ROYALBRATSが続いた。MVDにはavex ROYALBRATSからYuta Nakamuraが選ばれた。ついにトータルランキングでもSEGA SAMMY LUXは首位に立ち、4位に沈んだFULLCAST RAISERZから王座を奪還した。

トータルランキング4位のKADOKAWA DREAMSに、5位のavex ROYALBRATSが肉薄。首位争いはもちろんCHAMPIONSHIP進出をかけての争いも白熱するD.LEAGUE。ROUND.10は2022年4月6日に開催。

第一生命 D.LEAGUE 21-22 REGULAR SEASON ROUND.9
日時:2022年3月21日(月)
会場:東京ガーデンシアター(東京・有明)
©D.LEAGUE21-22

Reporter:Takahiro Iguchi