教えるのが好きなのは喜びの欲張り

――自分に自信が持てない人、自己肯定感が低い人が、どうすれば自分を信じられるようになり、自信が生まれるかが本書の大きなテーマですが、かんころさんご自身も学生時代は自己肯定感が低かったりしたのでしょうか?

かんころ 意識はしていなかったのですが、今になって思えばそうだったのかなという気がします。学生の頃は自己肯定感なんて言葉も知らなかったですからね。だから自信がある・ないの概念もなくて、振り返ってみたときに、自分の躓きの原因は自信のなさなのかなと思い当たりました。うさ子ちゃんも、仕事はクレームばかり、彼氏と思ってた人が彼氏じゃなかった、友達が先に結婚しちゃってショックなど、前半は上手くいかないんですよね。周りに振り回されているんですけど、その原因って実は自分を信じてなかったり、自信がなかったりなんです。私も学生時代は、「友達に彼氏ができたから、早く私も早く作らなきゃ!」「友達はいい大学に受かったのに私はダメだ……」みたいな感じで周りに振り回されていたんです。

――若い頃って、自分に自信がない一方で、根拠のない自信もあったりしますよね。

かんころ どっちもありました。だから子どもがよく言う「ケーキ屋さんになりたい」レベルで、「私は絶対に本を出す人になる!」「マンガ家になる!」と言いふらしていました(笑)。ただ高校生になって、進路相談みたいなのがあって、将来何になりたいかを書くことがあったんです。そのときにイラストレーターと書いたら、先生に「現実を見なさい」ってすごく怒られました。それが悲しくて、あんまり人に夢を言えなくなりました。

――作家やマンガ家の他に目指していた職業はありましたか?

かんころ 漠然となんですけど、学校の先生になりたい気持ちがありました。もともと人に何かを伝えたり、教えたりするのが好きなんです。以前はヨガインストラクターをやっていましたし、今回のような本を出すのもそうですし、セミナー講師やオンラインサロンなどのフィールドを通じて、学校の先生と似ていることをやっています。

――どうして人に教えるのが好きなのでしょうか?

かんころ 喜びの欲張りといいますか、自分の夢や目標が実現しても、基本的には自分しか喜べないじゃないですが、人に教えていたら、教え子の数だけ「やった!」と言える回数が増えます。私は大学卒業後、チアリーディングのコーチを10年間やっていたんですけど、始めたのは大学を卒業してすぐの頃です。上手なパフォーマーになりたいんじゃなく、教えるのが上手い人になりたいというのがモチベーションだったんです。選手としてのキャリアがないと、教えるときに説得力がないから、大学時代は現役を頑張っていたんです。それで大学卒業後は、別の仕事をしながら、副業みたいなかたちでチアリーディングの指導を続けていました。

――ヨガインストラクターはどういうきっかけでなったのでしょうか?

かんころ チアのトレーニングとしてヨガを取り入れたのがきっかけです。初めてヨガのクラスに参加したときは、「本当に意味があるのかな?」と半信半疑だったんですけど、先生が「無理しなくて大丈夫ですよ」「できることだけやってください」「体と遊びましょう」と優しい言葉をかけてくださったんです。「きついなと思ったポーズはやめてもいいですよ」という言葉をかけられると、「え、やめていいの?」みたいな。チアをバリバリにやっていた自分としては、途中でやめることは負けだし、逃げみたいに思っていたからビックリしました。自分のペースでやれるんだということに感動して、ヨガの先生になろうと思ったんです。