25歳までは後先考えずに全力で頑張ることにした
──運命を変えた『ヨルヤン』出演が21歳のときです。高校を卒業した18歳からの3年間はどうされていたんですか?
NAO グループを離れたものの、1人でどうしたらいいか最初は分からなくて。やりたいことのイメージがあっても、具体的に何をどう頑張ればいいのか。だから知り合ったいろんな人に「私、歌やりたいんです」「ライブに出たいです」といったことを伝えていったり、その間は試行錯誤していました。シンガーの方やイベントを作るオーガナイザーの方を紹介していただいたりもしましたし、路上ライブもやっていました。
──路上ライブでの手応えはいかがでしたか?
NAO 曲はカバーとオリジナルを混ぜながら歌っていました。路上ライブではギターとかピアノの方にサポートしてもらいながら、しっとり系の曲を歌うことが多かったんですが、「このスタイルじゃないのかもしれないな」「もっとダンスしたいな」みたいな気持ちが出てきました。それからはオーディションをこまめに探すようになって、とにかくきっかけをつかみたくてもがいていました。
──そういう中で『ヨルヤン』応募に至ったと。
NAO はい、『ヨルヤン』は曲もダンスもできるし、自分の強みが活かせるオーディションじゃないかなって。デビュー曲にもなった課題曲「lighthouse」は低くて太いボーカルから入って、サビではキーが高くなる。曲を歌ってみたときにスッと入ってきたんです。
──しかし、よく腐らずにオーディションを受け続けましたね。どんな気持ちで逆境に立ち向かっていたんですか?
NAO 自信がある訳ではないんです。ただ自分の頑張り次第でどうにかなるとはいつも考えていました。だから、25歳までは後先考えずに全力で頑張ることにして、たくさんのオーディションを受け、いろんなライブに出たりしていました。本気で頑張ろうと思えば、やれることなんていくらでもあると思うんです。今も「夢が叶った!」と大喜びしているわけではなくて、むしろこれからだと考えていて、気を引き締めていきたいです。
──進路を検討しているティーンに向けて、挫折を味わったNAOさんだからこそできるアドバイスはありますか?
NAO どんな仕事に就くにせよ、「楽しい」という気持ちがどこかにないと続かないと思います。たとえば「収入がいい」というのはもちろん大事なことなんですけど、結局、人生の半分以上は仕事している訳ですよね。そうなると、「ワクワクする」とか「プラスになる」といった要素がかなり重要になると思っています。今は大学生だったら企業にインターンとかもできるし、自分がワクワクできる場所をあらかじめ探すことだってできると思うんですよ。探すときもインスタやSNSを活用できますし。
──たしかに就職に関するアプローチは時代とともに変化していますよね。
NAO たとえば自分が気になる会社で働いている人をインスタで見つけ、仲よくなってからDMして話を聞くということだって可能かもしれない。だから、まずはアクションを起こすことが重要だと思います。
──NAOさんの場合、「自分はパフォーマンスで勝負するんだ」と猪突猛進で頑張ってきた訳じゃないですか。若い世代によくある悩みとして、「私は何を目指せばいいんだろう?」「俺にとって、やりがいがあることって何?」とモヤモヤしているケースもあります。
NAO それは考え方次第だと思います。たとえば「ゲームが好き」とか「スポーツが好き」というのも単なる趣味で終わらせるのではなく、仕事に結びつけることだって可能じゃないですか。楽しい仕事を見つける方法というのは、いくらでもあると思います。そういう意味では趣味も増やしたほうがいいし、いろんなところにアンテナを張りながらトライしていくことが大事なんだと思います。
──最後に今後の目標について教えてください。
NAO 自分の表現したいものをダンスや歌にしてちゃんと伝えていける表現者になること。そのためにコツコツ努力しながら、聴いてくださる方と一緒に成長していけたらいいなと思っています。そして父が名付けてくれた「NAO」は「素直」から来ているということで、素直に自分らしさを伝えていけるようなアーティストになりたいです。
