1曲目から瞬時にして会場は夏のような熱気に包まれた

10人体制となって初のワンマンライブ。虹コンは2014年の結成以来、めまぐるしく卒業と新加入を繰り返してきたが、2018年からは安定期に入り、長らく不動の12人体制で活動してきた。着実にライブの動員数を増やし、2019年12月30日に念願だったZepp Tokyoでワンマンライブを開催するなど、会場の規模も大きくなっていた。

グループとして勢いが加速していた中でコロナ禍に見舞われたが、オンラインの特性を活かしたライブやイベントを精力的に行うことで存在感を示し、一方でシングルとアルバムもコンスタントにリリース。毎回オリコンウィークリーランキングのトップテン圏内にチャートインさせるなど結果も残してきた。

そんな順風満帆な中でのメンバー卒業に抱いた一抹の不安は、1曲目の「サマーとはキミと私なりっ!!」で完全に吹き飛ばされた。1960年代に数多くのサーフ・ミュージックをヒットチャートに送り出してきたアメリカのザ・ビーチ・ボーイズだが、実際にサーファーだったメンバーは一人しかいなかったというのは有名な話。虹コンも普段はインドアなメンバーが集まっていながら、夏曲の多さはアイドルグループ随一。色とりどりの光が交差する中で、メンバーはステージ全体を使って躍動。声を出せない観客は、力強い手拍子で声援を贈り、瞬時にして会場は夏のような熱気に包まれた。