楽して儲かることなんて絶対にない

――今回の本は、お金に関する専門書とは思えないほど読みやすくて、どの世代にも役立つ内容ですね。

倉田 発売元の東洋経済さんによると、「難しい本はたくさん出しているけれど、新社会人や大学生など、お金のことを意識し始める人たちに向けた分かりやすい本はない」ということで、特に読みやすさは意識しました。また普段はお金のことを勉強しないような年配の方にも役立つことを盛り込んでいます。

――誰にでも分かりやすく、かみ砕いた表現をするためにどのような工夫をされましたか?

倉田 改行や平仮名を多くするのと、難しい言葉や専門用語を使わないということを意識しました。編集部の方から「これは難しいですね」と言われた部分も分かりやすくして、文法にも注意しました。

――第5章の「稼げない人がやってしまう3大失敗」は、特にティーンにも知ってほしい内容だと思いました。

倉田 さすがに借金をしてまで買い物をする高校生は少数だと思いますが、世の中には社会人になる前に借金する人が普通にいるし、借金にはリボという制度があって、お金に絡んだ悪い人たちもいっぱいいるということを高校生のうちから知っていてほしいんです。僕自身、高校時代はそういうことを知りませんでした。大学生になって、同級生がネズミ講で騙されたのを聞くまで、ネズミ講という存在すら知りませんでした。その同級生も、たぶん知らなかったから騙されたんですよね。事前に知識があれば、大学デビューしても騙されないと思うんです。

――確かに大学生になると、そういう誘惑がたくさんありますからね。

倉田 大人になればいいこともたくさんあるけれど、誰かを損させてでも儲けようとしている人がいて、自分もそういうふうになっちゃうかもしれないよ、楽して儲かることなんて絶対にないんだよと伝えたいですね。

――実際に学生時代、倉田さんの周りで被害に遭われた方はいたんですか?

倉田 大学1年生の時、アルバイトの説明会らしきものに行った同級生の男の子が「すごく儲かるらしくて、ノルマを達成したらクリスチャンディオールのネクタイをくれるって先輩が言ってるんだよ」と話していました。その後、彼は学生ローンを組まされて100万円くらいの借金をする羽目になってしまいました。僕は彼が何を言っているのか分からなくて聞き流していましたが、その友達の話を完全に信じて食いついていたら危なかったですね。

――ティーンに今回の本を、どう読んでもらいたいですか?

倉田 全部読むのは大変なので、目次だけでも読んでほしいです。目次に情報がまとまっているので、さらに興味を持ったら中身を読んでもらえればなと思います。それで学校の図書館に置いてもらえるように担任の先生に伝えてもらえるとうれしいです(笑)。