公務員試験の勉強とアルバイトに時間を費やした大学時代
――倉田さんは国税局にいたときから、次の道を考えていたのでしょうか?
倉田 そうですね。国税の仕事は面白いけれど、もっと面白い仕事は何かと考えた末に、芸人を選びました。その根底にあるのは、仕事は面白い方がいいし、自分が楽しいと思える仕事ならスキルも伸びるし、それによって収入も増えていきます。仕事は基本お金をもらうものですが、好きな仕事であれば休みの日に、仕事に関する本を読んだり勉強をしたりするのも苦になりません。でも自分にとって嫌な仕事ならそれはできないですよね。だから楽しい仕事を選んだ方が人生にとってプラスなんです。
――実際に仕事に就いてみないと、その仕事が自分にとって面白いかも分からないですしね。
倉田 40年間、嫌な仕事を続けるのは無理だと思います。嫌だなと思いながら仕事をするのではなく、楽しみながら仕事ができるのは最高ですよね。若いときはそれを選べます。もちろん年齢を重ねても無理だとは言いませんが、家族ができると今さら仕事を辞められないという事情がでてくることもあるでしょう。だからこそ若いときに、楽しいなと思える仕事を見つけられたらいいのではないでしょうか。
――高校・大学時代には将来の進路は意識されていましたか?
倉田 さんざん話しておきながらなんですが、実は何も考えていませんでした。大学の進路選択について言えば、建築に興味があったから建築学科を選びました。だから将来は設計事務所やゼネコンに行ったりするのかなって1年生の頃は思っていたのですが、途中で公務員試験の勉強を始めたので、3年生の頃には公務員になろうと決めていました。
――昔から勉強は得意でしたか?
倉田 苦手ではありませんでしたが、小中はあまり勉強をしていなかったですし、それほど成績も良くなかったです。絶対評価に代わった高校生ぐらいから成績が良くなったんです。相対評価だった小中は印象点のようなものに左右されて、テストが良くても、良い成績が取れないから、「もういいや」と諦めていたところもあります。
――公務員試験のためにどのような努力をしましたか?
倉田 予備校に行って、動画を見てひたすら勉強しました。公務員試験は細かく分けると20科目ぐらいあって量が半端じゃないので、覚えるのは大変でしたね。ちゃんと単位を取って、大学の授業がなくなってからは、公務員試験の勉強とアルバイトに時間を費やしていました。
――税金やお金については大学時代から興味がありましたか?
倉田 大学4年生で初めて確定申告をしたんですよ。それが僕の税金デビューですね。複数のアルバイトをしていたので、なんとなく確定申告が必要だということは知っていたので、インターネットで調べて自分で提出しました。給与だったので、経費を考えなくてよかったのですが、それでも8時間ぐらいかかった覚えがあります。