躍動する肉体美の可能性を示したSEGA SAMMY LUX

日常にねざした、エンタメ性の高いパフォーマンスに定評があるavex ROYALBRATS。今回の設定は「部屋」を舞台にヘマできない先輩が遊びに来る「お出迎え」であたふたするというもの。エプロンなど小道具を巧に使ったコミカルなパフォーマンスで観客を魅了、オーディエンス票の伸びにつながった。「ダンス・芸術・物語の配分が絶妙。エナジーが内輪に向かいがちな物語調のパフォーマンスが、正面のオーディエンスにむけて発せられていること、お出迎えの準備で睡魔に勝てず気合が入らない状態でパフォーマンスを始める逆転の発想とストーリーの一貫性が素晴らしい」と、ゲストジャッジのTAKAHIROも絶賛。

「Legit the Showtime」をテーマに、ドラム、ピアノ、管楽器のセッションを視覚化させたパフォーマンスを披露したのはCyberAgent Legit。ピアノの鍵盤に見立てた白いセットアップ姿は、袖とパンツのセンター部分に黒いラインが入っており、脚の向きがそろわないと1音1音の楽しさを表現するうえではハイリスクともいえる。個々のメンバーが世界のコンテストで活躍するエリート集団ならではのスキルが、その離れ業を可能にした。

日本ではあまり知られていないVOGUEで勝負を続けるBenefit one MONOLIZ。結果が伴わない悩みはあるものの、今回は「Our time has come.(うちらの時間がやってきた)」をテーマに、スニーカースタイルで参戦。今までとはがらっと異なる印象を与えた。無名時代のバンクシーが描いたとされるチンパンジーの絵にインスパイアされてできたというパフォーマンス。その展開の巧みさに評価が集まった。

3連勝中と絶好調のSEGA SAMMY LUX。もともと近未来のイメージが強いチームだが、今回は「砂漠の星」がテーマ。RAARAと3名の女性SPダンサー及びCanDooら男子4人の躍動する肉体の美しさが映える衣装でラテン・ジャマイカン・アフリカンのニュアンスを取り入れた未来型ネイティブのパフォーマンスを披露し、ジャッジポイントで首位を集めた。ゲストジャッジのTAKAHIROも「シンプルに『人間』で勝負している。男女それぞれが持つ個性をダンサーだからこそできるテクニックで、効果的に表現している」と絶賛。

ガールズグループのUSEN-NEXT I’moon。ポップで疾走感のある楽曲「Keep Smiling」にのせ、春らしいピンクのキュートな衣装に身を包んだメンバーが、moon(月)をかたどったフォーメーションなど、多彩な見どころとシンクロ性の高いパフォーマンスを披露。ダンスを心から楽しみながら戦っている姿で、Round.10をハッピーに締めくくった。

熱戦を制したのは、オーディエンス票で最多票を集めたavex ROYALBRATS。3連勝のSEGA SAMMY LUXをおさえ、チーム初の優勝となった。「音の見せ方、作品のもっていき方など、点数が出やすい構成を考えたら結果がついてきた」と、リーダーJUNPEIの狙いが見事に的中したかたちだ。2位は前回覇者のSEGA SAMMY LUX。続く3位はKOSÉ 8ROCKS。メンバーのTaichi はMVDにも選ばれた。

トータルランキングでは依然としてSEGA SAMMY LUXが首位を死守。5ポイント差でFULL CAST RAISERSが追い、3位KOSÉ 8ROCKS、4位avex ROYALBRATSと続いた。レギュラーシーズンも残すところ2ROUND。次回ROUND.11は、2022年4月27日に開催される。

第一生命 D.LEAGUE 21-22 REGULAR SEASON ROUND.10
日時:2022年4月6日(水)
会場:東京ガーデンシアター(東京・有明)
©D.LEAGUE21-22

公式サイト

Photographer:Keita Shibuya,Reporter:Miyabi Murai