Twitterを続ける理由は、やめるきっかけをもらえてないから
――現在、つぶやきシローさんのTwitterフォロワー数は97万人以上で、毎日1ツイートのあるあるネタが幅広い世代にウケています。Twitterを始めたのは2009年9月と芸人さんの中では、かなり早かったのではないでしょうか。
つぶやきシロー 当時からタレントさんでもいましたけど早い方ではありますね。ほら、「何がYouTubeだよ!」とか言ってた人が寝返るのと一緒で、売れている人は最初、手をつけないの。でもTwitterが世の中に広まると、「俺みたいに売れているスターはこんなものじゃないよ」と言ってやり始める。そうすると、みんなバーってそっちにいっちゃうんです。たまたま僕は、そういう人たちの前に始めたから目立ちましたけど、最初から嫌々やっていましたから。
――そもそもTwitterを始めたきっかけは?
つぶやきシロー 最初は雑誌の取材から始まったんですよ。編集の方から、「発売日まで続けていただけると」と言われて始めたんですが、発売日以降も「1日1個ぐらいならいっか」みたいな感じで続けていたら、どんどんフォロワーが増えてきて、やめるにやめられない状況になったんです。今も苦痛ですよ!
――毎ツイート、すごい数のいいねが付くので、やりがいもあるんじゃないですか?
つぶやきシロー 対価が得られるならまだしも、何もないですからね。こういう仕事を生業にしているから、お金にならなくても続けていますけど、囚人が穴を掘って埋める作業と一緒。いつやめてもいいんですよ。始めるきっかけは勝手にもらっちゃったけど、やめるきっかけをもらえてないだけですよ。
――苦痛とはいえ、毎日あるあるネタが思いつくのもすごいです。
つぶやきシロー すっと出る時もあれば、考えて考えて、やっぱり今日はいいやって時もあるし。出ない場合は、昔のネタを持ってきて、日の目を浴びさせてあげようというのもある。ずっとネタを作り続けてきたので、漫談にはできない、ライブやテレビでも披露できないような一言だけのあるあるネタというのが、たくさんあるんです。
――フォロワーのコメントはチェックしているんですか?
つぶやきシロー 始めた頃は見ていました。当時は仕事も全然なかったから、「僕の発信したことを気にしてくれている人がいるんだ。面白いな」と思っていたんです。でも、フォロワーが増えてくると誹謗中傷もある。そうすると、たとえ100個いいことを言われても、1個の悪いコメントで傷ついてしまう。そういうのを気にする方ですからね。それを人に言ったら、「見ない方がいいですよ」と言われて、そのうち完全に見なくなりました。もう10年は見てないですね。そもそもSNS自体が苦手だから、他のタレントさんとやり取りもしないし、野球の結果ぐらいしか見ないんですよ。
――つぶやきさんのあるあるネタは若い世代にも共感を生んでいる印象です。
つぶやきシロー 今の子には分からないあるあるネタもあると思いますよ。僕としては同年代のおじさんが分かってくれればいいって時もあれば、若い子たちにも分かってほしいなって時もあるし。そこの答え合わせはしてないけど、たとえば「校庭に半分埋まっているタイヤで1個だけ柔らかいのがあるよね」とか「校庭に鉢巻き1個落ちてるね」とか、「教室のカーテンぐるぐる巻きにして、その中で女子は何を話してんだろうね」とか、そういうのは、いつの時代も変わらないと思うんですよね。