自由に曲を作れるプロジェクトが欲しかった

――3月にindigo la Endのニューシングル、4月に美的計画の1stアルバム、5月にゲスの極み乙女。の初ベスト盤、さらに映画の主題歌のジェニーハイの新曲と、怒涛のリリースラッシュです。

川谷 常にこういう感じなので、特に意識はしていないです。そもそも僕は怠惰な人間で、スケジュールが空いてしまうと何もしなくなるので、自分でスケジュールを埋めるために、プロジェクトを増やしています。しかも熱しやすく冷めづらいというか、パッと思いつきでやったことが、そのまま続いていくので増えていく一方です。

――川谷さんが様々なボーカリストを迎える美的計画も、発足は2年半前と長期的なプロジェクトです。

川谷 美的計画のきっかけは2018年です。Twitter上で弾き語り動画のオーディションみたいなことをやったら、かなり盛り上がって。応募してくれた中に、にしなちゃんがいて、僕が新曲を書くということで始まった企画です。それをきっかけに、いろんな人に歌ってもらいたいなと思って、美的計画に繋がっていきました。

――アルバムに男女のデュエット曲もありますが、どの曲も女性ボーカルを多く起用した理由を教えてください。

川谷 特にこだわった訳ではないのですが、僕が作る曲は女性のボーカルに合うものが多いです。最初から男性ボーカルと決まっていれば、それに合わせるんですけど、自由にメロディーを作ると、結果的にキーが高くなる。だから、自分が歌わないで、自由に曲を作れるプロジェクトが欲しかったというのもあります。

――若い世代のアーティストを積極的に起用されています。

川谷 結果そうなったところもあるんですが、もともとTwitterのオーディションで始まっているので、新しい人にスポットライトを当てようという気持ちもありました。美的計画のために探したというよりは、普通にサブスクなどをチェックして、いいなと思った人に声をかけました。

――新しいアーティストにも常にアンテナを張っているのでしょうか?

川谷 曲作りのときには海外の新しいアーティストや、今まで僕が聴いたことのなかった昔の曲も聴きます。日本の若いバンドの曲もいっぱい聴いていて、いいなと思うことも多いです。

――どういう基準でボーカリストを選んでいったのでしょうか?

川谷 単純に自分が好きな声です。声がよくて、自分が聴きたいと思う人に歌ってもらいました。

――「ピーナッツバターシークレット」では、CLR名義でラランドのサーヤさんを起用したのが話題になりました。

川谷 サーヤちゃんは、お笑いも好きで、声もすごくいいなと思っていました。しゃべっている声で、だいたい歌声も分かりますし、実際に歌っている映像も見て面白いなと思いました。

――ボーカルディレクションも川谷さんが関わっているんですか?

川谷 関わっている曲もあれば、そうでない曲もあります。たとえば「電話と恐竜」と「だからラブ」の相沢ちゃんは、僕の曲をめちゃくちゃ聴いてくれていて、特に何も言う必要はありませんでした。ちょっとくらいメロディーが元と違っていても、それが結果的に良ければ、それを優先します。