今までと違う新しい環境によってチューニングされる

――ジェニーハイの新曲「エクレール」が、映画『ハケンアニメ!』の主題歌に決まりました。どのように曲作りを進めたのでしょうか?

川谷 映画を見て、その内容に沿って書きました。制作側の意見をすり合わせながら、何度か書き直したので、長い期間、作っていました。過去にも映画、ドラマ、アニメの主題歌を手掛けたことはありますが、映像がないことのほうが多いのですが、今回は、ほぼできあがっていたのでイメージはしやすかったです。

――声優の高野麻里佳さんがゲスト・ヴォーカルとして参加することは最初から決まっていたのでしょうか。

川谷 最初から決まっていて、曲ができてからボーカルの割り振りを考えました。今回は映画の主題歌に寄せていった曲なので、普段のジェニーハイよりも明るい曲調です。制作中、メジャーコードが嫌になってコード進行を変えたんですが、制作側の希望もあって、メジャーコードに戻したり。そもそも僕はメジャーコードって恥ずかしくなっちゃうというか(笑)。長く音楽をやっていると、どんどんズレたくなってくるし、ずっとスタジオにいると世間との差というものが分からなくなってきます。だから今回のようにチューニングしてくれる人がいて助かりました。たとえ僕が変えたほうがいいと思っていても、変えないほうが一般的には聴きやすいものだったりしますから。

――今年3月21日に5都市を回るジェニーハイの全国ツアーがファイナルを迎えましたが、新たな発見はありましたか?

川谷 ギターだけ弾いてツアーを回ることはあまりないですし、ラップをしたり、芸人さんが出たりするというバラエティー要素もあって、お客さんの雰囲気も全然違いました。ペンライトを振ってくれるお客さんがいるなんて、僕がやっている他のバンドではありえません。それが勉強になったし、楽しかったです。こういうことも経験しておくと、さっき言ったような感じでチューニングされるというか、意外とこういうのもいいなと発見があります。ジェニーハイのお客さんは家族連れや子どももめちゃくちゃ多いのですが、改めて「こういうものが子どもに刺さっているのか」とか、「この曲よりもこっちの曲がめちゃくちゃ楽しそうだな」というようなことも分かったので、「みんなのうた」のような曲を作りたくなりました。

――indigo la Endの新曲「春は溶けて」は、2021年に発表した「春のFM802×阪神高速ACCESS!」キャンペーンソングのセルフカバーです。

川谷 もともとインディゴで作ろうと思っていた曲だったので、それほどセルフカバーという感覚もありませんでした。ただキャンペーンソングはトオミヨウさんのアレンジで、僕以外にもいろいろなボーカリストが参加していて、一つの正解がすでに提示されている中で、別の正解を作ることの難しさはありました。たぶん僕よりも他のメンバーが重圧を感じていたかもしれません。わりと自分ではシンプルなアレンジにしたつもりだったんですけど、それでも前のアレンジより分かりにくいという声もあって、それも勉強になりました。