監督からの指示は「おぎやはぎさんみたいにマイルドなツッコミ」

――『パティシエさんとお嬢さん』は、不器用な2人の恋愛とそれを見守る人々を描いた人気漫画の映画化ですが、もともと原作はご存知でしたか?

村井 知らなかったです。このお話をいただいてから読んでみて、柔らかくて可愛いお話だなと思いました。ショートストーリーなんですけれども、1話完結で優しい時間が流れているのが面白かったです。

――毎週スイーツを買いに来る”お嬢さん”に思いを寄せるパティシエの奥野丈士を崎山つばささん、その兄で店長でもある帯刀稜を村井さんが演じています。

村井 丈士はキャラクターも面白くて、不器用なところがすごく可愛らしい。稜は弟を応援して背中を押す役どころです。映画を観ている方も稜みたいに丈士を見守りたくなるような作品だと思いますね。

――今回の役を演じるにあたり、監督からどんなお話がありましたか?

村井 原作の稜は丈士に対して辛辣にツッコむというか、ズバッと切り捨てるような言葉を投げかけることも多いんです。それは漫画だと面白いんですが、そのまま実写でやってしまうと、ちょっと意地の悪い人に見えてしまう。やはりそこは漫画と実写の差で、印象の違いが出てしまうので、監督からは「おぎやはぎさんみたいにマイルドなツッコミで」と言われました。

――確かに稜のツッコミは、丈士を否定しすぎないし優しいですね。

村井 本読みの時は漫画のイメージがあったので、ズバっと言っていたんですが、そうするとやはり辛辣に見えてしまって。監督にも何度か「大丈夫ですか?」と確認しながらやっていました。僕自身、冷たく捉えられてしまう雰囲気があるらしいので、自分が思っているツッコミよりもプラス3ぐらい温かみを添えないと、冷たく見えてしまうのかなと。

――イントネーションや喋りのスピードなどで温かみを表現されるのですか?

村井 雰囲気ですかね。台本に書いてあるツッコミは厳しめなので、なるだけ厳しくならないように、雰囲気重視で優しく言う。受け流すように言うことはかなり注意してやりました。ある意味、距離感を保っているんですが、一方で監督から「漫才みたいにしたい」とも言われていたんです。

――ラスト近くで、芝生に座って丈士と稜が話すシーンは後から足された、と舞台挨拶でおっしゃっていました。突然シーンが増えることも多かったのですか?

村井 いくつかありました。原作とはちょっと違うオリジナリティを加えたり、実際のパティシエの方たちの動きをリアルに描くためだったり、そういうことのために足されたんだと思います。