萩原みのりはかっこよくて、尊敬できる貴重な存在

――『N号棟』は実話を基にしたホラー映画ですが、怪奇現象を中心に、生と死や、集団心理なども扱った独自性の強い作品です。出演が決まったとき、どのようなお気持ちでしたか?

萩原 最初に脚本を読んだとき、果たしてこれがホラーなのかどうかも分からなかったというか。あまり見たことのないテイストでしたし、映像化したらどうなるのかというビジョンが全然湧かなくて。メッセージ性も強いものがあるなと感じたので、一人で判断ができず、マネージャーさんに「私では分からないのでお任せします」と連絡しました。自分のキャパを超えちゃったような感覚でした。

山谷 私がホラー作品に関わったのは、みのりちゃんと初めてご一緒した『劇場版 零~ゼロ~』(2014)以来でした。ホラーの現場は大変なシーンがたくさんあるのを知っていたので、身を引き締めて作品に挑まないとなと思いました。一方で同年代の子たちと一緒に撮影できるので楽しみな気持ちもありました。

――2回目の共演ということですが、お互いの印象を教えてください。

萩原 花純ちゃんは対応能力が早い。

山谷 やったー!

萩原 『劇場版 零~ゼロ~』のときから言われたことに対して、自分のものにするのが速い人というイメージでした。

山谷 『劇場版 零~ゼロ~』から今回の映画で再会するまで、長い時間が空いたんですが、私は一視聴者としてみのりちゃんの作品が好きで観ていたんです。最前線を走り抜けている彼女の背中は本当に逞しくて、久々に会って、以前よりも強くなったなと感じました。私はみのりちゃんと同じ年齢ですが、かっこよくて、尊敬できる貴重な存在です。

――これまでのジャパニーズホラーとは一線を画した作品ですが、撮影現場はいかがだったのでしょうか?

山谷 ホラー映画は夜のシーンが多い印象ですが、この作品はデイシーンも多かったので、本当に寝る時間を削りながらで……。

萩原 ずっと団地とホテルを行き来しながら、泊まりで撮っていたので、現実に戻る瞬間があまりなかったというか。団地の全てが同じ形のドアで、同じ間隔で電気が付いているので、頭が本当におかしくなってくるような感覚があって。電気も水道も通ってないですし、蛇口をひねっても水が出ないからトイレも大変だし。しかも舞台となった廃墟の団地の周りに、幾つも廃墟の団地があったんですよね。周辺が全て廃墟の空間というか、周りを見渡しても、あまり現実が見えないから日常じゃないような、本物のゾンビが出てきても驚かないくらい、異世界にいるような感覚でした。私は体力を使う役柄というのもあって、HPが0になりそうな現場でしたね。

山谷 私が大変だったのは、筒井真理子さんを中心に踊るシーンがあって、本当にリズム感がないので振りが覚えられなくて(笑)。しかも周りで一緒に踊ってくださった皆さんはダンサーの方々で、基礎も全部ちゃんと叩き込まれている人たちの中にド素人の私がいて。

萩原 練習時間もほぼなかったんじゃない?

山谷 そうなの。撮影に追われてダンスの復習も疎かにしてしまったので、ぶっつけ本番ぐらいの勢いで撮影に挑みました。