プロレス好きだったのがMCバトルで活きた

――ヒップホップに出合う前から音楽は好きだったのでしょうか?

Rin音 テレビで流れている曲が学校で流行るじゃないですか。それをカラオケで歌うために、ヒットチャートを聴くだけでした。もちろん音楽を聴くことは好きだったんですけど、趣味と言えるほど聴いてなくて、ゲームばかりしていました。

――ラップを始めたきっかけは?

Rin音 中学3年生の終わりから高校1年生の初めくらいにMCバトルを見て格好いいと思ったのがきっかけです。高校3年生のときに友達とフリースタイル、サイファーをやるようになって、本格的にバトルに出たのが大学1年生の終わりです。バトルイベントでワチャワチャやってたら、「ライブにも出てみない?」と誘われたんですけど、そのときはオリジナル曲がなかったんです。ただ曲がないまま、バトルに出てもディスられて負けるだけなんで、そのために楽曲制作を始めました。

――当初、バトルには友達と参戦していたのでしょうか?

Rin音 一人で行ってました。一緒に始めた友達は遊び程度だったし、クラブも僕たちからしたら怖い場所でした。だから当時の僕の行動力がバグってたのかもしれないです(笑)。友達が見に来てくれることはあったんですけど、孤独感はありましたね。バトルで勝てたから、友達になる人も多かったですけど、負けてたらどうなってたんだろうなと思います。

――ゴリゴリのラッパーという見た目の人も多かったと思いますが、そこで臆する部分はなかったですか?

Rin音 なかったです。そういう人たちとどれだけ対等に戦えるかが重要ですし、バトルに関して僕は負けず嫌いでしたから。それに実際に接してみると優しいですし、音楽をやってる人に対しての敬意があるので、真正面から向き合ってくれるというか。イベントにも出してもらいましたし、すごく良くしてもらった印象があって、今でも感謝してます。

――どうやってスキルを磨いていったのでしょうか?

Rin音 他のラッパーのバトルを聴くことで、気づいたら覚えていって。頭の中に残っているものを、ちょっと変えたら、自分のバースになるじゃないですか。最初はもろパクリでしたけど、そこからでいいんですよ。言葉の気持ちいい部分とか、自分の好きな部分がはっきりしてくるし、それを糧に自分で一から作っていくんです。

――Rin音さんはフリースタイルでも技のバリエーションが豊富な印象です。

Rin音 フロウがめちゃくちゃ好きで、韻を踏むよりも、どういう言葉の乗せ方をするか意識していて、最初はそこだけを追求していました。

――Rin音さんは早い段階で、バトルで結果を残していますが、何が良かったと自己分析しますか?

Rin音 プロレスが好きなんですが、それがデカいと思います。プロレスってストーリーというか、印象操作みたいなところがあります。僕は鈴木みのるさんが大好きなんですが、彼は人の良さも見えるときがあるけど、あくまでヒール。でもそれが格好よくて。プロレスの駆け引きとMCバトルは似ているなと思うんですよね。バトルはお客さんが勝敗を判断しますけど、お客さんの感情を揺さぶるような、応援したいと思わせるような人になるためには、どうすればいいのかをプロレス的に考えたんです。それが早い段階での結果に繋がった理由かもしれません。