ダメ男だけど魅力的な尚紀

――現在放送中のドラマ「花嫁未満エスケープ」(テレビ東京、他)では、同棲相手の柏崎ゆうを母親扱いして、なかなか結婚にふみきらない「おこちゃま彼氏」の松下尚紀を演じていらっしゃいます。尚紀について最初、どのような印象を持たれましたか?

中川 自分が演じるということで贔屓目に見てしまっている部分もありますが、かわいらしい人だなと思いました。第1話の放送ではダメ男という印象をもたれてしまったようですが、確かにダメ男かもしれないけれど、甘えることが好きな犬系っぽい可愛げがある一方で、仕事はできるというギャップも魅力だなと思っていて、その辺りはみなさんが抱く印象とズレがありましたね。自分としては原作のイメージにとらわれすぎることなく、演じるうえで無理がないように、自分なりの尚紀を作り上げていきました。

――そんな尚紀とご自身に共通する部分はありますか?

中川 かなり近くて、とても演じやすかったですね。特に、女性に限らず心を許した人の懐に入り込むことにあまり抵抗がないところは似ていると思いました。いい意味でプライドがないというか。男らしくいなきゃ、と思うこともないですし。ただ、尚紀のように、彼女をお母さんのように見てしまうようなことはありません。

――尚紀は少し見栄を張ってしまうというか、自分を大きく見せようとするところがありますね。オンオフの切り替えもはっきりしていると思います。

中川 尚紀は自分の仕事というか、自分のテリトリー内のことはきちんとできるけれど、いざ帰宅すると洗濯や掃除などは全くできない。そこは確かに僕とは違います。僕はオンオフも特に意識しません。会社のシーンでよくご一緒した美山加恋さんとも「こういう人いるよね」と話していました。

――尚紀はかなりのゲーマーですが、中川さんご自身はいかがですか?

中川 帰宅部だった中学・高校生の時に一生分のゲームをやりつくした感じです。当時ハマっていたのは「モンスターハンター」。放課後はずっと「モンスターハンター」をしていました。周りにも銃を撃ち合うようなオンラインゲームにハマっている人は多いですが、僕自身は、今はゲームをしていません。暇つぶしにゲームを始めてもクリアできないことが多いですしね。尚紀がプレイしているゲームもわからなかったですし、これを何年間も飽きずにプレイし続ける尚紀は信じられません(笑)

――共演の岡崎紗絵さんや浅香航大さんの印象をお聞かせください。

中川 岡崎さんは明るくて太陽みたいな人。座長として全12話の間、ずっと現場を明るくしてくれていました。かなりのハードスケジュールで疲れているはずなのに、一度も疲れたところを見たことがありません。それに、ご自身の役に対してだけでなく、僕が演じる尚紀に対しても丁寧に向き合ってくださいました。クランクアップで「本当にたくさん学ばせていただきました」と挨拶したら、「学ぶところなんてないよ~」なんておっしゃっていましたが、最も共演時間が長かった岡崎さんのおかげで、成長させていただいたなと思います。浅香さんとは、役の上ではバチバチするようなライバル的な関係にあったこともあって、撮影の休憩時間もほぼ話すことはありませんでした。でも、そういったシーンの撮影が全部終わると話しかけてきてくれて、それから一気に話せるような関係になれました。

――ドラマはアラサーの恋がテーマの一つにもなっていると思いますが、中川さんご自身が20代のうちにしておきたいことはありますか?

中川 20代は役者の道を突き進んでいきたいと思っています。あとは結婚。僕は子どもが好きだし、周りにも結婚について考えている人は多いので、20代の間にあってもいいのかなとは思っています。

――改めてドラマ「花嫁未満エスケープ」の魅力を読者にアピールしてください。

中川 28歳の人たちの話です。まだ、結婚についてリアルに感じられる部分は少ないかもしれませんが、恋愛での三角関係とか倦怠期、といった部分はティーンの皆さんにも経験があるだろうし、共感していただけるのではないかと思います。特に第4話の、別れ際にある二人の様子は見ていてもすごくリアルでつらいのですが、その一方で終わりかけの恋愛って面白いな、とも感じたんです。ドラマでは友達みたいな関係になってしまったカップルがどんな決断をし、どんな結末を迎えていくのかに注目していただけたらなと思います。