自分の中に持っているギャルのマインドを大切にした

――乗っている電車が知らない駅に停車し、帰れなくなるという有名な都市伝説「きさらぎ駅」の実写化映画にご出演されましたが、このお話自体はご存知でしたか?

莉子 知らなかったです。そもそも怖い話や都市伝説が苦手で、小学校の頃から学校の怪談なども「絶対聞かない!」と全部避けてきました。でも周りに聞いてみたら、「きさらぎ駅」の都市伝説を知っている方が多かったですね。

――出演が決まってから、ネットで「きさらぎ駅」の話を読んだりされましたか?

莉子 見ました。でも、めちゃくちゃ怖くて……「嫌だー」と思いな
がら見てました。

――永江二朗監督はたくさんのホラー作品を撮っていらっしゃいますが、今までご覧になったことはありますか?

莉子 ホラー映画も全部避けてきたので……。今までホラー映画に出演させていただくことが何度かあったのですが、試写ではマネージャーさんと「嫌ー!」とか言いながら、怯えながら観てます。(笑)。

――過去にはホラー映画の名手として世界的な評価を得ている清水崇監督の『牛首村』に出演されていますね。

莉子 『牛首村』が初めてのホラー作品だったんですよ!「人生で初めてのホラー映画出演が清水監督作品って……」と撮影前から緊張と怖さで震えてました。

――清水監督の過去作はご覧になりましたか?

莉子 それが怖くて観ていなくて、清水監督が「怖いなら観なくていいです」とおっしゃっていたんですね。なので私は観ないまま、怖くて仕方がないまま出演してます。今回の場合も同じように、永江監督のホラー作品は観ていないんです。でも、それでいいと永江監督にも言ってもらえました。

――莉子さん演じる松井美紀はきさらぎ駅に迷い込んだ女性で、かなりギャルっぽい格好をしています。演じてみていかがでしたか?

莉子 まさか自分が、ヒョウ柄のシャツを着る日がくるとは思っていませんでした(笑)。でも私は「マインドがギャル」って言われることが多いんです。女子校出身だったこともあって、男まさりというか、はっきりしている性格なんで『Popteen』の仲間や編集部の方からも言われていました。

――役作りで心がけたことは?

莉子 自分の中に持っているギャルのマインドを大切にしながら、とはいえ私の見た目は全くギャルではないので、今回の撮影期間だけエクステをつけたりして、身だしなみからそれっぽくしていく工夫をしました。

――この映画の舞台でもある2000年代のギャルそのままのファッションでしたね。

莉子 リアルですよね。絶妙なラインのヒョウ柄シャツがきたなと(笑)。「ちょっと前のギャルってこれだ!」という服装でした。劇中のガラケーも2000年代ぽくて、ちゃんとチャームがついたりしてるのも、めちゃくちゃリアルだなと思いました。

――今までガラケーに触れる機会はありましたか?

莉子 ガラケー時代はあったんですけど、小学生の頃ですね。私も劇中のガラケーみたいにキラキラのシールを貼ってたので、確かに2000年代ってこんな感じだなと思いながら演じてました。

――実際にギャルの衣装を着たご自分の姿をご覧になっていかがでしたか?

莉子 衝撃でした!映像では特に見た目が一番重要になってきますよね。一目でパっとギャルだって分かってもらうには、確かにヒョウ柄に短パンじゃなきゃダメだよなと。そういう分かりやすい衣装だったので、役作りも自然としやすかったのかなと思います。

――莉子さんのギャル姿は、ファンの方も気になるでしょうね。

莉子 エクステをつけてる間も他の仕事をしていたので、映画が発表されてからファンのみんなに「エクステつけてたのはこの作品のためだったんだ!」と言われました。一応、お仕事のためとは言っていましたが、みんなからすれば「どんな役なんだろう?」と不思議だったと思います。エクステは監督の要望で、明るすぎず、暗すぎず絶妙なラインの金髪。本数も多すぎず、少なすぎずということだったので、美容師の方に必死に説明しました。

――莉子さんがご自分で美容師さんに指示したんですね。

莉子 そうです。監督から送られてきた見本の写真や、自分で探したインスタに上がっているエクステギャルの方の写真を美容師の方に見せました。ファンのみんなも「楽しみだね」って言ってくれたので、そこも注目していただけたら嬉しいです。