筆が乗ってるときはスラスラ読める文章が書ける

イベント終了後、やまとに単独インタビューを実施した。

──講演会を行うのは今回が初めてですよね。いかがでした?

やまと 特に緊張はしなかったです。講演会はずっとやりたいと思っていたので、単純にすごく楽しかったです。欲を言えば、コロナの影響でお客さんが声を出せないのが悔しかったけど、こればかりは仕方ないですもんね。

©️飯岡拓也

──初の著書『聖域』は40万部超えの大ヒットとなりました。発売から半年以上が経って冷静に分析できる部分もあると思いますが、何が読者の心を掴んだとお考えですか?

やまと まず(インタビュー形式でまとめるのではなく)実際に自分で書いたというのがひとつ。全部を自分で書いているので、言葉尻だったりとか、冗談だったりとか、細かい部分まで説得力と現実味が出た気がするんですよ。作業していると「やっぱりこれも加えたい!」という要素が後から出てくることもあったんですけど、そういうときも自分で書けばいいだけだから話が早かったですし。

──自分のイメージする内容に仕上がったということですね。

やまと 若い子が知りたいトピックが並んでいるという点も大きいと思います。やっぱりYouTubeをやっている立場だと、普段から視聴者の質問やコメントを見ているから、若い人たちがどういうことに困っていて、どういうことを知りたいのかという部分を経験則として知っているんですね。

──読者のニーズが把握できていた?

やまと そういうことになると思います。視聴者が気になっていることや知りたいテーマに対して、「自分なら、こういうことが言えるな」という話を展開していったので。

©️飯岡拓也

──やまとさんは普段から読書家だと伺っています。しかし、実際に書いてみて戸惑ったことや驚いたこともあったのではないでしょうか?

やまと 「文章を書く」という行為に関していうと、僕は高校受験のとき、論文に取り組む必要がありました。受験の一環でやるしかなかったから、論文コースにも通いました。そのときから文章を書くこと自体は得意だったんですけど、「何々だから、何々である。理由は2つあって、こうこうこう。だから、私はこう思う」みたいな論文調の書き方が身についちゃって。さすがに読んでほしいと考える層の人がとっつきにくいというか、スッと頭に入ってこないんじゃないかと担当編集者の方から指摘していただいて、たしかにその通りだなと思ったんです。どうしたら伝わりやすいのか、試行錯誤しながら感覚を掴んでいった感じです。

──文章にリズム感があって、サクサクと読めました。

やまと ありがとうございます。言葉遣いなどは、読みやすさをかなり意識しました。あと、やっぱり気分の問題も大きくて、自分の筆が乗ってるときはスラスラ読める文章が書けるものなんですよ。