スキルの高さが個性となるdip BATTLES

トップバッターは、オリエンタルな雰囲気の衣装、10cmのピンヒールといういでたちで小道具の鏡を巧みに使いながらSHOW GIRL の妖艶な世界観を表現したBenefit one MONOLIZ。ジャッジのSeishiroは「鏡の使い方をはじめ、幻想的な世界観からの見せ方、凝った演出がすばらしい」と評価する一方で、「トップバッターでプレッシャーもあったと思うが、ヒールでパフォーマンスでのぶれが目立ったのが残念」とのコメント。

Benefit one MONOLIZとともにWILD CARD枠を見据え、ハイスキルな「ラジオ体操27911」という斬新なコンセプトのSHOWで挑んだのはCyberAgent Legit。ROUND.7以来の登場となるディレクターのFISHBOYいわく、「今どんなダンスをしているのか、その場で説明を受けながら作品を見たい」という意見をもらったことがきっかけになって生まれたテーマで、「27911」については「ラジオ体操は、第一・二と進むにつれレベルが上がっていきますが、僕らの技術で何番までいけるかを見てほしい」とのこと。ある世代にとっては夏休みの風物詩ともいえるラジオ体操の世界を表現するために、ラジカセや捺印カードなど、こだわりの小道具を効果的に使いながらもスキルの高さでストリートダンスのかっこよさを表現、チームでは最高記録となる71.5ポイントをたたき出した。拍手でつつまれた会場で、FISHBOYは「積み上げてきたスキルをみんなに楽しんでもらいたい、という想いをメンバー全員で共有できた」と喜びを語った。

すべてのROUNDを通して、「人のため」という思いから生まれる愛の力を表現してきたLIFULL ALT-RHYTHMの今回のテーマは「Flower」。花を手にしながらハッピーな雰囲気で登場したメンバーによるSHOWは、ダンスと芝居をミックスする難しさをクリアしただけでなく、表現というものの可能性を示してくれた。「楽しかった!」と、SHOWを振り返った永井直也は「みんなで活動してみて改めてわかったのは、人を笑顔にしたいという思いだった」と充実感あふれる表情で語った。

全てのROUNDを通じて過去のミュージックシーンへのオマージュをささげ続けてきたdip BATTLES。最終ROUNDへの意気込みが感じられる今回のSHOWでは、SPダンサーKEIN主導のもと、1920年代から踊られているJAZZをベースにしたダンスステップ「エレコロスウィング」をふんだんに取り入れた。ミントグリーンのセットアップ・ドレスでさわやかに登場したメンバーはビバップやタップダンスのステップを、最終的にdip BATTLESならではの個性に変えてしまう。フロアムーブのスムーズさをはじめ、スキルの高さが証明されたSHOWとなった。