自分とは違う人間だからこそ逆に面白かった
――豊田さんにとって『レッドブリッジ』は映画初出演にして初主演となります。脚本を読んだときは、どんな印象を持ちましたか?
豊田 僕の演じた今西大輝は、家庭環境が複雑で児童養護施設で育ち、ケンカが強くて、ドラッグに依存している。自分とはかけ離れているキャラクターなんですけど、話としてはめちゃくちゃ惹かれたというか。自分とは違う人間だからこそ、それが逆に面白いなと思いました。
――映画の冒頭から画面狭しと走り回り、アクションシーンもふんだんに盛り込まれていますが、体力作りのために何か準備はしましたか?
豊田 特にしてないんですけど、もともと部活動をやっていたので体力はあるほうだと思います。ただ冒頭の走るシーンは、何回も撮り直して本当にきつかったです(笑)。走る量はどの出演者よりも多かったので、しんどかったです。
――大輝はケンカで圧倒的な強さを誇りますが、何か工夫した点はありますか?
豊田 僕は過去に人を殴ったことも、蹴ったこともなかったので、どういう風に殴ると強そうに見えるんだろうと考えました。殴るシーンは、ボクシングのような殴り方ではなく、整ってないけど力強い殴り方を意識しました。あとは立ち方とか、人を殴っているときの目のギラつき方とかを自分なりに工夫しました。
――アクションシーンはプロの指導もあったそうですね。
豊田 すごく丁寧に教えてくださって、分かりやすかったです。本音を言えば、もうちょっと練習時間が欲しかったという気持ちもありますけど、シーンを重ねるごとに上手くやれたという実感がありました。
――『レッドブリッジ』と、その前⽇談で同日公開となる『レッドブリッジ ビギニング』は一気に撮影をしたそうですが、どのぐらいの撮影期間だったんですか?
豊田 10日間です。
――10日間で2本分の撮影はハードですね。
豊田 体力的にも大変だったんですけど、それよりも苦労したのは気持ちの持って行き方です。撮影の順番が『レッドブリッジ』の次に『レッドブリッジ ビギニング』で、『レッドブリッジ』は少年院を出たところから始まるのに、『レッドブリッジ ビギニング』は少年院に入るところから始まる。前日までは刑務所から出ていたのに、翌日には刑務所の中にいるモヤモヤした気持ちを表現しなければいけなくて、そこは難しかったです。