音楽を始めた、それぞれの理由

――それぞれ音楽を始めたきっかけを教えてください。

⾼橋 中学生のときの音楽の授業でドラムセットに触れる機会があって、わりと叩けたんです。小学校のときにエレクトーンを習っていた時期があって、足と手を一緒に動かすことに比較的慣れていたことが理由なのですが、当時は習っていたことをすっかり忘れていたので、「俺、めっちゃ足と手を動かせるじゃん!才能があるんじゃないか」という自惚れからドラムを始めました(笑)。

――もともとロックは聴いていたんですか?

⾼橋 中学生のときはみんなが聴いているようなポピュラーミュージックが好きでした。高校生ぐらいから60年代、70年代のロックに興味を持ち始めました。

康司 フレデリックは僕が作詞作曲をしているんですけど、音楽を始めようと思ったきっかけと、音楽を作ろうと思ったきっかけが同じで。中学生の頃、ちょっと学校が苦手で、人間関係もあまり上手くいってなかったときがあって一人で音楽を聴くことが多かったんです。そんなときに、ビョークの「オール・イズ・フル・オブ・ラブ」を聴いて、どんな歌詞で、どういったことをイメージして歌っているかまでは意識していなかったんですけど、音楽自体がすごく良くて感動しました。僕も誰かが辛いときや大変なときに背中を押せるような曲を作ってみたいと思って、音楽を始めました。

――ギター部で組んだグループは、どんなバンドだったんですか?

康司 ギター部といってもいわゆる軽音部に近かったんです。最初は放送室を借りて、遊びでフォークソングみたいなことをやっていたんですけど、バンドに興味ある奴が増えて、バンドになっていきました。

健司 康司はギター部に中学2年生で入ったんよな?

康司 そうそう

健司 僕らは双子で、小学校の頃からスポーツやるのも大体一緒だったので、部活とかも一緒になっていくんだろうなと思っていたんです。ところが康司がギター部に入って、自分が知らない楽しみを見つけて。僕も音楽を聴くのは好きでしたが、ギター部に入ることもなく、陸上をしていました。それで中学3年生の文化祭で、康司がギター部の同級生たちと一緒に演奏しているのをお客さんとして観たんです。そのときに音を鳴らす喜びというのがあるんだと感じて、康司は自分の生き甲斐を見つけたんだなと思いました。すごいなと思った反面、羨ましい気持ちもあって、自分もこの喜びを見つけたいと思って高校生で音楽を始めました。

――高校でも陸上を続けるという選択肢はありましたか?

健司 めちゃくちゃスポーツができる訳でもなかったですし、自分の限界をずっと感じていて、どこかで自分の武器みたいなものを見つけたいなと思っていました。そんなときに友達から「健司の歌いいよね」と言われて、「じゃあ歌しかないな。これで生きていこう」と思って(笑)。それで高校では軽音楽部に入って、歌とギターを始めました。

赤頭 僕が音楽を始めたきっかけは高校2年生のとき、友達に「ギターが足りないから始めない?」と誘われたことです。僕のお母さんがアコースティックギターを持っていて、それで練習を始めました。