しがみついてでも夢を追ってほしい

――『魔女の宅急便』は、小芝さんにとって映画初主演で第57回ブルーリボン賞新人賞、第24回日本映画批評家大賞新人女優賞を受賞するなどターニングポイントになった作品だったのはないでしょうか?

小芝 そうですね。初めての主演であり、初めてオーディションで取った役でもあります。小豆島ロケで、1ヶ月ぐらい親元を離れて撮影したんですが、悔しい思いとか、ストレスや不安など、いろいろあったんですけど、みんなで作ってるんだという感覚もすごくありました。あと『魔女の宅急便』の原作は小説なんですが、ジブリアニメのイメージが強いので、「あなたはキキじゃないでしょ」と周りに思われているだろうなとか、すごく気にしていました。でも清水崇監督が「小芝だからキキ役に選んだんだ。だから周りの意見に流されずに、小芝のままでいってくれ」と言ってくださいました。現場の方々も、私に対して何かを思っている訳じゃなくて、それぞれこの作品を良くするために自分の仕事を頑張っているんだと気づいたときに、私もこの作品を良くするために頑張ればいいんだと思えました。

――まだ15歳で、そういう考えに切り替えられるのもすごいですね。

小芝 演技が楽しいと思えたのも、それぐらいの時期です。もっと演技を勉強したいと思ったのはNHKの連続テレビ小説「あさが来た」に出たときです。だいたいのドラマは、24歳という設定だったら、その年齢だけを演じることが多いですけど、朝ドラの場合は何十年間を一人で演じることがあります。「あさが来た」では14歳から34歳までの20年間を演じさせていただいて、一人の女性がいろんな経験をしながら成長していく過程をお芝居で表現するのは勉強になりましたし、得られるものも多かったです。

――最後に進路を検討している高校生にアドバイスやメッセージをいただけますか?

小芝 好きなことがあるのであれば、迷わず進んでほしい。好きなお仕事に就けると、辛いことがあったとしても、好きなことだから何とかなるんです。だから好きなことがある人は、しがみついてでも夢を追ってほしいです。ただ、好きなことを見つけるのはすごく難しいことです。出会いでもありますからね。好きなことが見つかってない場合は、いろんなことにチャレンジするのが大事です。私自身、できていないところもあるんですけど、食わず嫌いだったり、イメージで遠ざけていたものだったりが、やってみると意外と楽しかったりすることもあります。別に特別なことじゃなくても、ちょっと外に出かけてみるとか、今までしてなかったことに挑戦してみるとかが、好きなことに出会えるきっかけになるのではないでしょうか。

――小芝さん自身、最近そういう経験はありましたか?

小芝 今年、初めて美術館に行ったんですけど、そのきっかけは、お仕事でナビゲーターを務めさせていただいたからなんです。そのときに、絵などの知識がなくても美術館は楽しめるんだという発見があって。だから、自分には何もないとか、好きなものが見つからないと思う人は、動物園や水族館に行ってみるとかでもいいし、普段行かないところに目を向けるのもいいかもしれません。でも、まだまだ先は長いので、「どうしよう」ってあんまり焦らなくてもいいと思いますよ。

Information

『映画 妖怪シェアハウス−白馬の王子様じゃないん怪−』
6月17日(金)より全国ロードショー

小芝風花 松本まりか 毎熊克哉 豊田裕大 池谷のぶえ
佐津川愛美 長井短 井頭愛海 尾碕真花 小久保寿人 片桐仁 安井順平
望月歩 池田成志 大倉孝二

監督:豊島圭介 脚本:西荻弓絵 音楽:井筒昭雄
主題歌:ayaho「アミ feat. 和ぬか」
©2022 映画「妖怪シェアハウス」製作委員会

澪(小芝風花)は相変わらず妖怪たちと楽しく暮らしながら、作家になる夢を追いかけている。世間では AI 恋人アプリが大流行し、誰もがスマホを見てニヤニヤしていたが、出版社での仕事に追われている澪は恋愛とはご無沙汰だった。そんなある日、上司に無茶振りされた取材でイギリス育ちの天才数学者・AITO に出会い、恋に落ちる。理想の王子様との幸せな日々もつかの間、澪はその恋がシェアハウスだけでなく巷の妖怪たちを危険に晒していることを知る。その頃、人間社会にもある“現象”が起き、人間の未来は大きく変わろうとしていた。人間と妖怪の歴史の分岐点の鍵となる、澪の決断やいかに……!?

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小芝風花

俳優

1997年4月16日生まれ。大阪府出身。2011年、「ガールズオーディション2011」でグランプリを受賞。翌年、ドラマ「息もできない夏」で女優デビュー。14年、映画『魔女の宅急便』で主役のキキを演じ、第57回ブルーリボン賞新人賞、第24回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。公開待機作に映画『貞子DX』(今秋公開)がある。

Photographer:Yuta Kono,Interviewer:Takahiro Iguchi, Stylist:Kihoko Iwamoto, Hair&Make:Yuka Nagashima