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兄弟と軽音楽部の先輩で結成

――音楽に目覚めたきっかけを教えてください。

菊池 お母さんが音楽好きで、僕がちっちゃい頃から久保田利伸さん、Mr.Children、それにスティーヴィー・ワンダーを始めとした海外のブラックミュージックが、ずっと家の中に流れていました。その影響で歌うことや音楽が好きになっていきました。

――もともとロックが好きだったわけではないんですね。

菊池 そうなんです。中学生まではリアルタイムでヒットしていたR&Bを聴いていたんですけど、高校生になってONE OK ROCKを聴いて、初めて「ロックって超かっこいいな」と思いました。そこから掘り下げてcoldrainやSiM、ELLEGARDENなどを聴いて、そのバンドのルーツである海外のアーティストも聴くようになりました。それが今の自分の土台になっています。

りうせい もともと僕は全く音楽に興味がなくて、流行っていたのでRADWIMPSを聴いていた程度でした。ところが兄のあき(菊池陽報)がギターを始めて、「ベースをやれ」と言ってきたんです。僕は中学生だったんですけど、「OK。やるよ」と。

菊池陽報(Vo./Gt.)

――そんな軽いノリでベースを始めたんですか(笑)。

りうせい 僕の人生は、ずっと兄の後を追っているんです。あきがテニスを始めたら、僕もテニスを始めるし、あきが遊戯王をやっていたら、僕もやるみたいな(笑)。バンドも兄は友達が少ないので、しょうがないかなと。

菊池 それは認める(笑)。

りうせい それで音楽に興味がないままベースを始めたんですが、アニメの『けいおん!』を見て、初めて楽器ってかっこいいなと思ったんです。ベースの秋山澪ちゃんも可愛いし(笑)。それで『けいおん!』の楽曲「Don’t say “lazy”」を延々とベースで弾いていました。結果的にずるずるとバンドを続けて、自然とブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインなど、海外のアーティストを聴くようになりました。

――『けいおん!』からブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインですか!

りうせい 魂は一緒だと思っていますから(笑)。

鹿又 僕は高校に行くまでゴリゴリの運動部で、野球をやっていたんです。全く音楽に興味がなかったんですけど、中学3年生のときにYouTubeで好きなゲーム実況者がドラムを叩いている姿を見て、かっこいいなと思ってドラムを始めました。高校では軽音楽部に入って、それからONE OK ROCKやbacknumberを聴くようになりました。

りうせい(Ba.)

――どうやって菊池兄弟と鹿又さんは知り合ったんですか?

菊池 高校時代に少ない友達をかき集めて無理やりバンドをやっていたんですけど、方向性の違いで解散してしまいまして、ドラマーを探していたんです。そしたら、りうせいが「高校で活きの良い先輩を見つけた」と言って、連れて来たのが輝君(鹿又)でした。鹿又 軽音楽部で、りうせいと一緒だったんですよ。

りうせい 活きが良くて、脂も乗っていて、活魚みたいな先輩だったんです(笑)。ドラムを叩いている時間が部員の誰よりも長くて、みんながくっちゃべったりしている中、黙々と練習をしているので、本当にドラムが好きなんだなと感じて誘いました。

鹿又 めっちゃ周りが弁当を食べているときも、僕だけドラムを叩いていましたからね(笑)。

この3人なら売れるという確信があった

――当初からスリーピースバンドだったんですか?

菊池 他にもメンバーがいて、4人になったり5人になったりして、バンド名や音楽のジャンルも変わっていったんですが、この3人は不動でした。一時期、りうせいがバンドを抜けるんですけど、何の根拠もないのに、この3人で売れるって自信はあって。この3人でやってダメだったら、音楽人生に終止符を打とうという意味で、This isLASTというバンド名を付けたんです。

――お2人も売れる確信はあったんですか?

鹿又 厄介なことに、僕も売れるだろうなと思っていました(笑)。

鹿又輝直(Dr.)

菊池 僕と輝君は、ずっと同じビジョンを見ていたんですよ。

りうせい 僕は売れるなんて思ってなかったです。ライブをやっても集客0人なんてことが普通でしたし、バンドは楽しかったんですけど、このレベルなら趣味程度なのかなって。それで人生を見詰めなおして、もともと福祉に興味があったので看護学校に入って、一切の音楽活動を辞めたんです。

――弟のりうせいさんが抜けて、3人でやるという気持ちは揺るがなかったんですか?

菊池 いずれは戻ってきて、3人になるだろうという確信もありました。一度音楽に触れたら戻れないですからね(笑)。なので、りうせいがいない間はライブをせずに、輝君と二人で曲作りに励んでいました。

――どうして、りうせいさんはバンドに戻ろうと思ったんですか?

りうせい 看護学校の1年目は頑張って勉強をして首席だったんです。なので翌年の学費は免除だったんですけど、そのときにあきが「殺文句」という曲を持ってきて、それを聴いて僕の中で2人と思いが繋がったというか、これは売れると確信しました。それまで、あきの書く歌詞は抽象的で中身がなかったんですけど、初めて実体験を書いて、これだと思ったんです。それに僕の中にも音楽に対して燻った思いがあったので、その日に学校を辞めると先生に伝えました。

――先生もビックリしたでしょうね。

りうせい 先生とは仲良くさせていただいていたんですが、学費免除のための申請の話だと思っていたみたいで、「冗談を言ってる場合じゃないだろう」と驚いていました(笑)。

次のステップに向かうバンドの新境地となる新曲

――初のシングル「ポニーテールに揺らされて」は、歌詞、曲ともにThisis LASTの新境地ともいえる作品ですね。

菊池 昨年11月に1stフルアルバム『別に、どうでもいい、知らない』をリリースして、バンドにとって一つの大きな壁を乗り越えて、ターニングポイントに立ったとき、This isLASTの舵を切る人間として、次はどういう風にしていこうか考えて。3人でも話し合って、その次の目標に向けて、しっかりとファンの方たちを連れて行ける楽曲を作ろうと制作に臨みました。そのために、Aメロ、Bメロ、サビなどの構成をつかみやすく、キャッチーにするように意識して、なおかつ今までは100%実体験を書いてきたんですが、歌詞も新たな表現に挑戦して、This isLASTとして次の新しい第一歩となる作品です。

――2人から見ても歌詞の変化は感じましたか?

鹿又 描写力とストーリー性の高さが、どんどん進化しているなと。

りうせい カップリングの2曲と比べたらわかると思うんですけど、「ポニーテールに揺らされて」は自分の視点だけではなく、俯瞰した視点も入っているので、情景の書き方も変わったなと感じました。それでいてキャッチーさも含まれていて、あきの挑戦が発展途上のバンドにはありがたいです。

――サウンド面はいかがですか?

菊池 今まで通りロックバンドという土台はありつつ、ピアノを入れるなど、楽器の構成も変わっています。テンポも今までとは違いますし、1stフルアルバムと聴き比べてもらえると、違いをわかってもらえるはずです。

――2曲目の「君が言うには」は、どういうコンセプトでしょうか?

菊池 ロックであり、ポップでもあり、聴いていて楽しい気持ちになってほしくて書きました。実体験で歌詞を書くと悲しい内容になりがちですが、言葉の選び方や書き方で、伝わり方は軽くなるんですよね。この曲はスタジオでのリハーサルが終わった帰り道に5分ぐらいで書き上げた曲なんですけど、音楽の楽しさを落とし込んでいくような歌詞になっています。

りうせい 「ザ・This is LAST」というか、濁りのないキレイな形であきの純度が出たのかなと思います。曲のアレンジはすべて僕が担当しているんですが、3曲の中で、この曲が一番やりやすかったです。

――3曲目の「オムライス」はイントロからドライブ感のあるハイテンションな曲です。

菊池 いつも僕が弾き語りで作った音源をメンバーに渡して、りうせいがアレンジを考えてくれて、最後に3人で合わせるんですけど、僕が「終始ドキドキする曲にしたい」という話をしたら、りうせいが「ドキドキしたいとはなんぞや?」とキレまして(笑)。

りうせい まったく意味がわからなかったです(笑)。

菊池 僕は感覚肌で、りうせいが頭で考えるタイプなので、よくぶつかり合うんですよね。僕は普段音楽を聴くときも、音楽的な理論を取っ払って、基本的にドキドキするかしないかで良い曲かどうかを判断するんです。制作中もその感覚で話すので、伝わらないことが多いんです。

鹿又 僕にも「ドラムでドキドキさせてくれ」って言ってきて、めっちゃ謎でした(笑)。

菊池 いろいろ考えていく中で頭に浮かんだのが某夢の国のミッキーさんで、「シング・シング・シング」という曲でドラムも叩いていますが、あの方自身がドキドキする存在じゃないですか。そういう要素を取り入れたら新しくなるなと思って、それを2人に伝えました。

――今後についてお聞きしたいんですが、今も続くコロナ禍でモチベーションは落ちなかったですか?

菊池 今までの距離感でファンの方たちと繋がっていけるような状況ではなくなったということを、どう受け止めるかを考えて、逆にここを乗り切ったら強いんじゃないかという話を3人でしました。こういうときだからこそ、ロックバンドとして音楽を盛り上げなきゃいけないですし、いろんなことに挑戦してみようということで「ポニーテールに揺らされて」に繋がったのもあります。この1、2年が勝負だと思っていますし、ライブを通して音楽をシェアしながら、ファンの方々に寄り添っていきたいです。

――最後に読者のティーンにメッセージをお願いします。

菊池 僕は大学を中退して、フリーターをやっていた時期もありますし、社会人経験もあるんですが、いろいろやった結果、自分の中で一番好きなもので生きていきたいという結論にたどり着きました。大学でも仕事先でも常に音楽のことしか考えていなかったですし、自分の中でこれだと思ったものを蔑ろにするぐらいなら、好きなものに全力で向かったほうが、どれだけ人生が苦しくても笑っていられるはずです。

Information

1st Single
『ポニーテールに揺らされて』
2021年5月19日(水)発売

『ポニーテールに揺らされて』
【収録曲】
1.ポニーテールに揺らされて
2.君が言うには
3.オムライス
価格: ¥1,650(taxin)
販売元: Happinet Media Marketing Co.
発売元: KURAMAE RECORDS


1st Full ALBUM
『別に、どうでもいい、知らない」
価格: ¥3,300(taxin)
販売元: Happinet Media Marketing Co.
発売元: KURAMAE RECORDS

This is LAST『ポニーテールに揺らされて』 Release tour
“夏休みは始まる前が一番楽しい”
■5/23(日)千葉:LOOK
■5/29(土)札幌:PLANT
■6/5(土)静岡:Live House UMBER
■6/11(金)高松:THEATER OF ROOTS DIME
■6/12(土)岡山:CRAZY MAMA 2nd Room
■6/13(日)京都:KYOTO MUSE
■6/19(土)金沢:Live Space & Cafe GOLD CREEK Kanazawa
■6/26(土)横浜:BAYSIS
■7/4(日)神戸:MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
■7/9(金)広島:Hiroshima CAVE-BE
■7/10(土)福岡:BEAT STATION
■7/17(土)仙台:FLYING SON
■7/18(日)水戸:mito LIGHT HOUSE
■7/22(木・祝)名古屋:NAGOYA CLUB QUATTRO
■8/4(水)大阪:UMEDA CLUB QUATTRO
■8/16(月)東京:TSUTAYA O-EAST

This is LAST

2018年5月結成、千葉県柏市発、スリーピースロックバンド。赤裸々に実体験と思いを綴った歌詞と、感情的なライブ・パフォーマンスが SNSやライブハウスを中心に多くの若者から支持を集め、デビュー 2 年にしてノン・プロモーションにも関わらず「愛憎」はYouTube での再生回数が75万回、「殺文句」は60万回を超える。また、2021年 2月にファイナルを迎えた全国ツアーでは、初の全国ワンマンツアーにも関わらず全ての場所で SOLD OUT を記録するなど、天井知らずの勢いで拡大をみせる。

Photographer:Yuta Kono,Interviewer:Takahiro Iguchi