ラブストーリーは喜怒哀楽が詰まっているので演じがいがある
――Hulu オリジナル「あなたに聴かせたい歌があるんだ」は同世代の俳優さんが、それぞれのエピソードで主人公を演じるドラマですが、オファーをいただいたときはどんなお気持ちでしたか。
藤原 初めにキャストから聞いたんですが、『くれなずめ』(2021年)という映画で共演した成田凌と、また共演できるということがうれしかったです。僕は成田が主演のものだったら、どんな作品でもやりたいんです。『くれなずめ』には前田敦子さんも出ていて、今でも会うとその頃の空気感に戻るんですよ。
――成田さんのように信用できる同世代の役者さんは他にもいらっしゃるんですか?
藤原 もちろん何人もいます。成田もその中の一人ですけど、彼にしかない鋭い嗅覚みたいなものを感じます。
――今回、藤原さんが演じたのは小説家を目指すも結果を出すことのできない片桐晃。脚本を最初に読んだときの印象を教えてください。
藤原 自分の回の脚本はラブストーリーだったので、楽しみでしたね。恋愛は喜びや楽しさ、悲しさなど喜怒哀楽が詰まっているので、いろいろな表現ができて、演じがいがあるんです。
――片桐は小説家としてなかなか芽が出ず、一目惚れして交際した恋人に当たっていきます。共感する部分はありましたか?
藤原 正直言って、かなりあります。仕事がない時期が長くて19歳で俳優を始めて10年目ですが、上手くいかない時期は誰かに八つ当たりしたり人を傷つけてしまったことは何度もあります。
――重ね合わせやすいキャラだったんですね。
藤原 まさにそうでした。普段はあまり重ね合わせたりしないですけど、今回は重ね合わせましたね。とはいえ小説家になりたいと思ったことはないですし、本を読むのは好きですけど、言葉に関わる仕事というものに就くセンスを自分は持ち合わせていません。だから、小説家になろうとする人の気持ちを理解しようとするよりは、脚本に書かれてある通り動くことに集中しました。