メンバー全員がそれぞれ作詞作曲を担当したEP『KTEP4』
――まずは、新作EP『KTP4』について聞かせてください。
小野 6月から50本ワンマンというバンド史上最大の規模のツアー『津々浦々夏の陣~鳴けぬなら、踊りたまえ、ホトトギス~』が始まって、何かしらの新曲は持っていきたいよねという話しをしていて。そのときに、まず4人で作る1曲がほしいと思ったんです。もともとKEYTALKは、それぞれメンバーが作詞作曲したものをバンドでアレンジしていくという曲の作り方をしています。ただ4人で最初から1曲を作っていくというのは今までやったことがなかったので、この機会にやってみようと。せっかくこれだけライブを回るんだからCDは会場限定にしようと思いました。限定EPはもともとインディーズ時代にKTEPシリーズを出していたので、10年ぶりの新作にしたら面白いなって『KTP4』として出すことにしました。
――ある意味、新たな試みが込められた原点を振り返るような作品であると。
小野 そうなんです。なのでジャケットも以前のイメージを踏襲して、レコーディングエンジニアさんもインディーズのときにやっていただいた方にお願いしました。
――それぞれの楽曲について、作詞作曲を担当したメンバーの方から紹介してください。
首藤 「夜の蝶」は、僕たちらしい踊れて、ちょっと和風なメロディの楽曲で、すごくかっこいい曲ができたと思います。僕は踊るというテーマを常に頭に置いて曲を作っているんですけど、歌詞のテーマ的には人前に立つ仕事の人を主人公にして描いたんです。迷いを解きほぐすエネルギーが込められた歌詞になっていると思います。
八木 「ODORYANSE」は、KEYTALKのファンキーな一面を出した楽曲です。歌詞はステージへの渇望みたいなものを書きました。やっぱりコロナ禍の影響は大きく、ライブができなかった期間が長かったから、ライブへの思いは強まりました。今は制作やライブができるようになって充実しています。
小野 「アニマ」はKEYTALKのパンキッシュな一面を出したくて作った曲です。これまでも2ビートの曲はあったんですけど、音作りをしっかり寄せたものはあまりなかったんです。歌詞は、あらゆる魂というか、何事も生まれて死んでの繰り返しで世の中回っているよね、みたいな内容になってます。メロコアなノリのある、ライブでやったら楽しそうな曲だと思います。
寺中 KEYTALKにはセンチメンタルな一面もあって、それを出したのが「Platonic Summer」です。今回、EPの曲のアレンジを進める前の段階で、みんなで初めて会議をして、ノレる、踊れるってKEYTALKらしいテーマに置こうと。切なさやセンチメンタルな部分もあるけどノレる曲というのを意識して作りました。僕は夏が好きで、1曲作るならやっぱり夏の曲が書きたいと思って、夏を大きなテーマに歌詞を書きました。
――「shall we dance?」はCD限定曲となっています。
小野 冒頭にお話しした4人で作ったものがこの曲です。ライブで初めて聴いて会場でCDを買ってもらって自宅で聴いてもらえたらと思っています。
――ライブをテーマにした勢いのある楽曲ですが、ある意味ツアーのテーマ曲的な感じですか?
小野 そうなるかもしれないですね。今までのKEYTALKを踏襲したアレンジや歌詞が散りばめられていて、面白い構成になったかなと思います。4人で一緒にスタジオに入って、まっさらの状態から作っていったんです。セクションごとに歌詞とメロディをつける人を分けて、4人分の組曲っぽい形になりました。最初どうなるか分からず作業に入ったんですが、すごくライブ映えする曲になったと思います。ライブハウスツアーからこの曲を育てて、来年3月の武道館に繋げていきたいなと思ってます。