高校にいたらちょっとヤバい子というイメージでお芝居をした

――映画『君たちはまだ長いトンネルの中』は、今の日本の矛盾に声を上げ、自分たちに何ができるのかを考える高校生の物語です。加藤さんが演じる高橋アサミはほとんどのシーンに登場し、セリフも長くて多いですね。

加藤 台本を開いたらどのページもずっとアサミ、アサミ、アサミとなってて、「1回閉じようかな」という気分になりました(笑)。とにかくセリフ量が多くて、「この分量、本当に全部私がやるのかな……」と思いました。

――アサミ役はオーディションで決まったのでしょうか?

加藤 はい。オーディションのときもセリフ量が多かったんですが、そのときは「これくらいなら大丈夫かな」と思っていたんです。でも実際はそれよりもはるかにセリフが多くて(笑)。

――監督と役柄についてどんなお話をされましたか?

加藤 最初、監督が思い描くアサミ像が自分の中に落とし込めなかったんです。監督は「いき過ぎちゃっていい、面白おかしくしちゃっていい」という感じだったんですけど、私はアサミちゃんの家庭事情に影響されちゃって。お父さんのこととか、心の中ではいろいろ思うこともあるだろうなと。学校でのシーンもただの明るい子とか、ただの変な子じゃないんだろうなって。いや、かなり変なんですけど(笑)。

――役に対する意識の違いは、どのように解消していかれたんですか?

加藤 最初は消化できない部分もありましたが、リハーサルで作りこんでいったので、本番までに自分の中に落とし込んだという感じです。やはり映画は監督のものなので、監督の思うアサミちゃんを演じたいという思いがありました。

――原作の漫画は読まれましたか?

加藤 オーディションの時に読みました。でも、それに影響されすぎないようにしようと思っていました。今回のような題材の知識は、ほとんど分からなかったので、調べたり、本を探したり、人に話を聞いたりして勉強しました。

――セリフが多くて長いうえに、長回しで撮るシーンも多いですね。

加藤 ここまでセリフが多いのも、長回しが多いのも全く経験がなかったので、ずっと頭はフル回転でした。シーンが終わってもすぐに「また次のシーンが……」みたいな感じがずーっと続いて。

――難しい用語も多かったですが、普段はどのようにセリフを覚えていらっしゃるんですか?

加藤 基本的には、誰かと読み合わせたりするよりは一人で集中して覚えています。ずっとブツブツ繰り返してますね。私は覚えるのが早いほうなので、家で1、2回読んだらだいたい次の日には頭に入ってるんですけど、今回はさすがに量が多くて、現場でも読んでいました。完璧に覚えた上で、そこに感情も乗せなきゃいけないので気合いで乗り切りました。

――固定概念を持つ大人たちを、加藤さんが論破したり演説したりするシーンが映画の見どころですが、演技を参考にした人などいますか?

加藤 特に参考にした人はいなかったです。アサミちゃんがどういう子なのかを想像して、高校にいたらちょっとヤバい子、というイメージでお芝居しました(笑)。