とにかく体力を消耗したということが記憶に残っている

――アサミは自立した考えの持ち主で、周りを説得することで自分の味方になってほしい訳ではなく、日本のことを自分のこととして、ちゃんと自分で調べてほしい、というスタンスですね。

加藤 そうですね。それはすごく共感できます。今回の内容に限らず、どんなことでもですけど、気になるなら調べられるのがいいと思うんです。私もたまに「どうやったら痩せる?」とか聞かれるんですけど、「痩せるメカニズムを調べるのが1番いいのになぁ」と思います(笑)。

――自分で責任を持つということですね。演技では、加藤さんの比重がかなり大きいように思いましたが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

加藤 風のように去っていって、あんまりよく覚えていないんですが(笑)、スタッフさんがみんな温かかったです。5日間で撮り終わらなきゃいけなかったので、カメラマンさんもメイクさんも照明さんもどのスタッフさんも必死だけど、どこかに落ち着きをちゃんと持っていて。そのおかげで私も、落ち着けたところはありました。

――5日ということは、1日の撮影で覚えなきゃいけない長ゼリフの量も多かったんじゃないんですか?

加藤 本当にそうです。今、何も覚えてないです。何が起きたかも分からないんです(笑)。でも気を張りまくりだったので、NGになったのは2、3回でした。最後の最後でNGを出したら、私も最悪だし、みんなも最悪だと思って、もう必死でした。

――あのセリフ量で2、3回というのはすごく少ないですね。加藤さんのセリフが長いので、共演者の方もNGを出さないように緊張したんじゃないでしょうか?

加藤 皆さんもNGはほとんどなかったので、気を張っていたんだろうなって思ってます。

――相手と意見をぶつけ合うシーンは迫力がありました。萩野崇さんが議員役というのも驚きの配役でした。

加藤 怖かったです!何言ってもこの人の考えは変わらないかもしれないけど変えたい、と思いながら立ち向かうというか。荻野さんは見た目も迫力があるし……もちろんオフでは優しかったです!

――全シーンが大変だったと思いますが、特に印象に残っているシーンはありますか?

加藤 ばったりロビーで会った蒼木(陣)さんに、「ちょっとお願いがあるんですけど」って一気にグッと迫っていくシーンです。セリフ的にもあそこが一番長かったのかな。しかも、そこが、一番セリフが難しかったんです。頭の中で整理して、現場で結構な勢いをつけてやったので、本当に息切れしちゃうくらいで、それが大変でしたね。

――長回しだから動き、カメラとの合わせた動きも覚えなきゃいけないですしね。

加藤 そうでした。あー、だんだん思い出してきた!ここはリハーサルでもやっていたんですが、セリフがまだ入ってないときで、「あとはセリフを入れるだけだね」という感じで。リハーサルで起伏の勢いとか、どこで強く言うとかは体で理解しておいて、本番はそれを踏まえてガっといけました。やることが多くて勢いも必要で、終わったら全部忘れました(笑)。とにかく体力を消耗したということが記憶に残っていて、すごく前に撮ったように感じますね。