青春と言えるのは学校よりもダンスだった

――キャリアについてもお伺いしたいのですが、デビューしたのは中学生のときですよね。

加藤 はい。最初はCMのお仕事でした。本当に小さい役なんですけど、eo光の相武紗季さんが出ていたCMです。お父さんと一緒にケータイを買いに行くというシチュエーションで、それが最初ですね。情けないくらい手が震えていました(笑)。

――どのようなきっかけでお仕事を始められたのですか?

加藤 スカウトです。芸能界に入りたいというより、ずっとダンスを習っていて、ダンスの仕事ができたらいいなと思っていたところにスカウトしていただいて。最初はダンスしか考えてなかったけど、女優という意見を事務所からいただいたんです。女優も表現をすることには変わらないなと思ったので、そこから意識しはじめて、気づいたら女優になっていました。

――NTT西日本、日立ビルシステムなど、たくさんのCMに出演されていますが、高校生活との両立はいかがでしたか?

加藤 学生時代はそこまで仕事に時間を取られることもなかったので、普通に通えていたんですけど、よく学校では寝てました(笑)。

――アサミのように早弁していた訳じゃなくて、居眠りですか?

加藤 早弁もしてました(笑)。早弁はアサミちゃんより早いですよ。学校着いて朝一にお弁当を食べる!

――加藤さんから見てアサミの早弁はどうですか?

加藤 バレバレですよ!先生が来る前に食べ終わらないと(笑)!

――さすが経験のある人は違いますね(笑)。学生時代に熱中していたものはありますか?

加藤 やっぱりダンスですね。とにかく上手くなりたかったし、向上心もあったし。幼稚園のときから一緒にやってる友達がいて、青春と言えるのは学校というよりダンスかもしれません。

――徐々に俳優業が中心になっていきましたが、これを一生の仕事にしようと思えるようなきっかけはありましたか?

加藤 一生の仕事だと思ったのは最近です。ちょうど周りが就職し始めて、社会人1年目の世代なんです。正直、それまではまだ周りも大学生だし、自分もまだ悩んでいられる時期だと思ってたんですよ。俳優業だけに決めずに、他の仕事を選択することもあるなって思ってたんです。みんなが社会人になって頑張っている中で、私はどうするんだろうとかなり悩んで。けど最近、撮影でご一緒した人にまた他の現場でお会いしたいとか、もっと違う役で出会いたいとか、向上心が芽生えたというか、そういうことを考えるようになって。こういう感情って俳優業を続けている限り何度も出てくると思うんです。だからやめることはないなと、意志がはっきりしました。

――主演作もどんどん増えていますが、責任感やプレッシャーは感じますか?

加藤 撮影に入るまではそう感じるんです。でも画に不安が残っちゃうから、入ったらそんなことを考えずに、やれるだけのことをやろうという風に臨んでいます。

――進路を検討しているティーンにメッセージをお願いします。

加藤 偉そうかもしれませんが……すぐに見つからなくてもいいんですけど、人生で夢中になれるものがあるといいと思います。一つでもあるとすごい大きな強みになると思っていて、高校生とか学生のうちに見つけたらさらに強みになるかなって。

――加藤さんはダンス以外にも、ブランドのプロデュースをされるなどファッションにも関わっていらっしゃいますが、夢中になれるものに出会うには、どうすればいいと思いますか?

加藤 私はずっと小さい世界に閉じこもりがちだったのですが、視野を広げてみたら、本当にたくさんのものに出会えて。行ったことのない街に出てみたり、新しい漫画や小説を読むのもいいし、普段食べないものを食べたりとか、いろんなものに触れて、これが好きとか、これをもっと知りたいとか。ちょっと変化をつけて過ごしてみることがいいのかもしれないです。

Information

『君たちはまだ長いトンネルの中』
池袋HUMAXシネマズ他にて全国順次公開中
加藤小夏 
北川尚弥 定本楓馬 蒼木陣 高橋健介 川本成 萩野崇 モト冬樹 かとうかず子 他

監督・脚本:なるせゆうせい
配給:トリプルアップ

🄫2022君トン製作委員会

高橋アサミ(加藤小夏)は、亡くなった父が財務省に勤めていた影響で、政治への関心が強い高校生。教科書通りの政治経済の授業で自論を語り、教師を論破するほどだが、授業を妨害したと呼びされてしまう。クラスメイトの安倍(北川尚弥)や中谷(定本楓馬)は、そんな問題児扱いのアサミを遠巻きに見ているが、アサミの話を聞くうちに、次第に応援するようになっていく。ある日、アサミは元俳優で戦隊ヒーローを演じていた、議員の武藤(蒼木陣)と遭遇。「総理大臣に会わせてほしい」直談判し、武藤にまったく相手にされないアサミだが、事態は思わぬ方向に転がっていく。

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加藤小夏

俳優

1999年東京都生まれ。CM出演などで注目され、2019年にドラマ『I”s』に出演。ドラマ出演作に『年下彼氏』(20年)、『取り立て屋ハニーズ』(21年)。映画出演に『踊ってミタ』(20年)、『20dB』(20年)、『おばあさんの皮』(21年)などがある。2021年からアパレルブランド「ForWe」をプロデュース。

Photographer::Tomoaki Isahai,Interviewer:Ryoko Ozawa, Stylist:Kotomi Harada, Hair&Make:RYUSEI MORI(DEXI)