現場に入ってみないと分からない面白さがあった

――望月さんはもともとドラマ版の「妖怪シェアハウス」を観ていましたか?

望月 映画版のAITO役のお話をいただいてから観ました。「妖怪シェアハウス」って聞いただけでも、タイトルにキャッチーさがあって「面白そうだな!」って興味が湧きますよね。実際に観てみると、良いテンポで軽やかさがあって、ヘビーさがないので一気に観れて楽しめました。

――妖怪が出てくる作品というのは昔から慣れ親しんでいましたか?

望月 妖怪が出るアニメをよく観ていました。妖怪って、幽霊やホラー作品と違って、その存在の後ろに物語がしっかりとありますよね。だからこそ、こうしてドラマや映画のモチーフとして楽しめるのかもしれないなと改めて思いました。

――今回オファーを受けたときはどんなお気持ちでしたか?

望月 うれしいという気持ちが第一にあって、台本を読み進めていくうちにAITOという役柄に対して驚きもたくさんありました。撮影に入ると、ドラマで観ていたシェアハウスのセットに入れただけで感動しましたし、澪(小芝風花)と妖怪たちの掛け合いが本当に面白くて。「これを映画館で観られるんだ」とうれしく感じました。

――現場もすごく面白そうだなと想像しました。

望月 台本を読んだだけでは、現場でどうなるか分からないみたいなことが多くて。セリフではなくて、「ぬわ~!」とか擬音だけ書いてあったりするんですよ。さらに、「ぬらりひょん」さんが、アドリブをどんどん追加していくので、現場に入ってみないと分からない面白さがありました。

――アドリブが多いんですね!

望月 ぬらりひょん役の大倉孝二さんは「ほとんど台本に書いてないじゃん!」みたいなことを言っていました(笑)。すごく面白いのですが、芝居する側は笑っちゃうから大変です。笑っていい役柄ならいいんですけど、AITOはそういったキャラクターではなかったので。

――松本まりかさん演じる、お岩さんも迫力がありました。

望月 お岩さんが一番、妖怪の熱量がすごかったです。他の妖怪たちは「こんな妖怪いたらいいな」ぐらいの感じで楽しく見られるのですが、お岩さんだけは「思い描いていた以上のお岩さん」というか……圧倒されましたね。出ているシーンも多いので惹き込まれました。