同じクラスの同級生という感覚だった撮影現場

――映画『くれなずめ』でも共演した成田凌さんと藤原季節さんを始め、同世代の俳優さんが集結していますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

前田 高校時代のシーンでは学生服を着ていたこともあって、みんなの距離が近くなるのも早かったのかなと思います。ドラマの設定とはいえ、同じクラスにいるという意識だけで、こうも早く仲良くなれるのかと。すごく楽しい現場で、本当に同じクラスの同級生という感覚でした。

――前田さんは高校時代と現在のまさみ、そして八木今日子も演じるので、一人三役といってもいいかと思います。

前田 演じ分けることは、それほど大変ではなかったのですが、高校時代のまさみはギャルなので、本番の2時間半ぐらい前に入ってメイクを始めて、カツラ、つけま、コンタクトもつけて、特殊メイクばりに時間がかかりました(笑)。

――凝った映像が全編に渡って冴えわたっていますが、現場にいてどんな印象を受けましたか。

前田 カメラマンの(光岡)兵庫さんと萩原(健太郎)監督のタッグは素敵だなと思いました。セリフのあるシーンが少なくて、演出するのは難しかったと思うんですけど、撮り方でいろいろ工夫してくれていて。時間はかかりましたけど、流れ作業ではない映像を撮ってくれているのが分かりましたし、プロ意識を持っているみなさんの熱意が伝わってくることは素晴らしいなと。出演している側としては、それぞれのエピソードをバラバラに撮っていたので、どんな内容になるのか不思議だったんですが、完成したドラマを観たときは、こういう風に繋がっていくんだとパズルがハマっていく感じで楽しかったです。

――Huluオリジナル「あなたに聴かせたい歌があるんだ」をティーンにどう観てほしいですか?

前田 17歳から27歳で何が変わったか?と聞かれると、意外と10年そんなに変わらないから分からないんですよね。それぐらい10年ってあっという間だから、このドラマに出てくる登場人物をマイナスとして見てほしくないなと思っていて。観方によっては、「失敗したらどうしよう……」という捉え方もできちゃうかなと思うんですけど、そうではなくて……。

――どの登場人物も思い通りにはいかないけど、決して不幸せではないですからね。

前田 そうなんです。「夢なんて追っても無駄なんだ」とはちょっと違うんですよね。だから、「大人になっても、あんまり変わらないんだな、だったらやれることは何でもやっていいんだ」と。夢を一つに決める必要はないし、途中で夢が変わってもいいと思うんです。そんなことが、このドラマで伝わったらうれしいです。

Information

Huluオリジナル
「あなたに聴かせたい歌があるんだ」
Huluにて全話独占配信中<全8話>

成田凌
伊藤沙莉 藤原季節 上杉柊平 前田敦子 田中麗奈

原作:燃え殻
原作協⼒:萩原健太郎
脚本:藤本匡太、燃え殻、萩原健太郎
監督:萩原健太郎
劇中歌:キリンジ「エイリアンズ」(WARNER MUSIC JAPAN)
制作プロダクション:C&I エンタテインメント
製作著作:HJ ホールディングス
©HJホールディングス

荻野智史(成田凌)は、東京の大学に進学し、役者を目指しオーディションを受けるも芽が出ず、その夢を諦めた社会人2年目、27歳のどこにでもいる平凡なサラリーマン。会社帰りに飲み屋で⾺⿅笑いしている部⻑と課⻑のお湯割りをせっせと作る中で、社会に押し倒され、飲み込まれ、ひれ伏していくのを感じていた。そんな時、忘れていた、忘れられないあの日の出来事を思い出す。それは、高校2年の時、エロ本に赤い下着姿で写る27歳の⼥教師・望月かおり(田中麗奈)を教室で、クラス全員で⾒殺しにした時のこと。あの時、⼥教師は突然の出来事に動揺するも、「皆さんもこれから10年経ったら、必ず27歳になります。その時に後悔することが、私なんかより⼀つでも少ないことを私は本気で願っています」。そう言って教壇でかけたCDが、人生で初めて聴いた「エイリアンズ」だった。この授業の後、⼥教師は学校を去り誰も⾏⽅を知らない。あれから 10 年。荻野はあの時の⼥教師と同じ歳になっていた――。役者になる夢を諦めきれずにもがく荻野、アイドルになりたかった前田ゆか(伊藤沙莉)、小説家志望の片桐晃(藤原季節)、売れないバンド⼈生に区切りをつけラーメン屋を継ぐ中澤悠斗(上杉柊平)、⼈気アイドルのモノマネに活路を見出した島田まさみ(前田敦子)、そして17歳だった彼らに27歳という年齢を刻んだ望月かおり。27歳だった先⽣と27歳になった生徒たちの運命が10年の歳月を経て再び交わろうとしていた。

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前田敦子

俳優

1991年7月10日生まれ。千葉県出身。2005年、「AKB48オーディションに合格」、一期メンバーとなる。2007年、映画『あしたの私のつくり方』で俳優デビュー。AKB48卒業後は、ドラマ、映画、舞台を中心に活躍。主な映画主演作に、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(2011)、『もらとりあむタマ子』(2013)、『Seventh Code』(2014)、『さよなら歌舞伎町』(2015)、『旅のおわり世界のはじまり』(2019)、『もっと超越した所へ。』(2022年公開予定)など。

Photographer:Akihiro Saga,Interviewer:Takahiro Iguchi