自分をふと忘れそうになったとき、神社に行って気持ちをリセットする

――『崎山つばさ 神推し』は「東国三社」と言われる鹿島神宮、香取神宮、息栖神社の三つの神社を巡るフォトエッセイです。オファーがあったときは、どのように感じましたか?

崎山 フォトエッセイというものを出したことがなかったし、神社にフォーカスを当てたものも初めてだったので新鮮でしたし、僕ならではの一冊にしたいなと思いました。

――朝5時半に現地に行って、実際に神事にも参列しているところにも本気度を感じました。

崎山 なかなか、そんな体験をさせていただくこともないので、撮影というよりもドキュメンタリーみたいな感じもありましたし、実際に目の前で神事を見られるので気持ちも高まりました。僕の人生においても、特別感のある時間を過ごせたと思いましたね。

――神社には、いつぐらいからご興味を持ち始めたんですか?

崎山 紐解いていくと、子どもの頃から地元・千葉のいろんな神社に連れて行ってもらっていたんです。家にも神棚がありましたし、そういうことを大切にしている家族だったんですよね。子どもの頃は、それほど意識はしていなかったんですけど、神社が身近に感じられたのは大きかったと思います。大人になって、この仕事を始めてから、そこがルーツとなり、縁結びの神様とか、芸事の神様というところへお参りするようになりました。仕事で地方に行ったときも、合間にいろんな神社に行ったり、調べたりしているうちに、どんどん神社のことが好きになって、興味が湧いてきたんですよね。それで神社検定を受けることにしたんです。

――神社に行くと、どういう気持ちになるのでしょうか?

崎山 寄り添ってもらえる場所というか、生きていく中で、自分と向き合う時間って限られていると思っていて。自分をふと忘れそうになったときに、神社に行って気持ちをリセットしたり、フラットにしたり。神社という存在が、そういう立ち位置にもなってくれているので、僕にとっては欠かせない場所になっています。

――神社でも、とりわけ鳥居への思い入れが強いとのことですが、いつぐらいから鳥居にハマっていったんですか?

崎山 神社検定の勉強をするようになってからです。鳥居って大きく分けて2種類あるんですけど、その中でもいろんな種類があるというのを知って、興味が湧いたんです。それまでは普通にお辞儀をして通り過ぎるだけだったんですけど、「ここの神社は大きいな」「こういう材質でできているんだ」と、そこに特化して目線を向けるようになりました。

――特にお気に入りの鳥居はどこの神社ですか?

崎山 龍が好きなので、品川神社の双龍鳥居も好きです。今回の撮影で行った息栖神社の対になっている鳥居も良かったですね。このフォトエッセイのおかげで、僕の中の鳥居コレクションにランクインする鳥居も増えました。